2006年01月28日 東京新聞杯 G3
優勝馬:フジサイレンス
プロフィール
- 生年月日
- 2000年04月16日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:42戦8勝
- 総収得賞金
- 188,519,000円
- 馬主
- 浅野 恭秀
- 生産者
- 清水スタッド (様似)
- 調教師
- 田子 冬樹
- 騎手
- 江田 照男
JR日高本線の最終駅。アポイ岳と日高山脈、そして眼下に広がる太平洋に挟まれるように位置するのがフジサイレンスの故郷、様似町です。温暖な気候と豊かな大地に恵まれたこの地からは、2冠馬カツトップエースや菊花賞馬インターグシケンなど数々の名馬が巣立っていきました。
清水スタッドは、様似町の入口。日高山脈の山麓に身を寄せるように位置しています。先代の清志さんが牛から馬に切り替えたのは昭和47年のこと。親から譲り受けた3ヘクタール足らずの土地と青森県の大手牧場から買った1頭の繁殖牝馬が牧場の第一歩でした。
以来、30数余年。平成15年にはERVで受胎繁殖牝馬の半数が流産するという不運にも襲われましたが、持ち前の粘り強さで、現在では約30ヘクタールの土地で、毎年10頭前後をコンスタントに生産する中堅牧場となっています。それでも、生産馬が中央競馬の重賞に勝ったのは今回が初めてです。
89年のセントライト記念でサクラホクトオーの2着したスダビート、01年に岩手オークス「ひまわり賞」を勝ったセイントリーフなどの活躍馬は出してきましたが、今回は喜びもひとしおだったようです。
「やっと(重賞に)勝てた、というのが本音です」と現在では牧場を切り盛りする孝志さんがほっとしたような表情を見せると、そばでは72歳になろうとする清志さんが「私の代で勝てなかったから、本当に嬉しいね。よくやってくれました」と満面の笑みを浮かべました。
レースはテレビ観戦だったそうです。「もっと人気になっていれば、競馬場へ応援に言ったんですけどね」と頭をかきます。いつもよりも、やや後ろ目の位置どり。それでも「前半、脚を溜めていけば、後半に必ず良い脚を使ってくれる」と信じての観戦です。好位から抜け出しを図るオレハマッテルゼ、追いこむインセンティブガイ。そしてマイル得意のアルビレオの人気3頭のデットヒートを尻目に、江田騎手からゴーサインが出されるとグイグイ伸びて、そして先頭ゴール。喜びに浸る間になく、レース直後から次々に届く酒と花。そして鳴り止まない電話に「家族みんなが家にいて良かったです」と慌しかった“そのとき”を振りかえってくれました。
牧場時代のフジサイレンスは「キリッとした馬でした。生まれたときから丈夫な馬で、ケガや病気とは無縁でしたね」とのこと。500キロにならんとする雄大な馬格を誇り、デビュー以来、2度の休養を挟んだだけで、ほとんど休むことなく40戦以上を使われいるあたり、牧場時代からその片鱗を見せていたようです。
「勝つときは、こんなものかもしれませんね。すべてがうまくいったんです」と孝志さんは満足そう。牧場に初の栄冠をもたらしてくれた馬に対し、今後も「無事に、とにかく無事に、そして長く走って欲しいですね」と北の大地からエールが送られています。
清水スタッドは、様似町の入口。日高山脈の山麓に身を寄せるように位置しています。先代の清志さんが牛から馬に切り替えたのは昭和47年のこと。親から譲り受けた3ヘクタール足らずの土地と青森県の大手牧場から買った1頭の繁殖牝馬が牧場の第一歩でした。
以来、30数余年。平成15年にはERVで受胎繁殖牝馬の半数が流産するという不運にも襲われましたが、持ち前の粘り強さで、現在では約30ヘクタールの土地で、毎年10頭前後をコンスタントに生産する中堅牧場となっています。それでも、生産馬が中央競馬の重賞に勝ったのは今回が初めてです。
89年のセントライト記念でサクラホクトオーの2着したスダビート、01年に岩手オークス「ひまわり賞」を勝ったセイントリーフなどの活躍馬は出してきましたが、今回は喜びもひとしおだったようです。
「やっと(重賞に)勝てた、というのが本音です」と現在では牧場を切り盛りする孝志さんがほっとしたような表情を見せると、そばでは72歳になろうとする清志さんが「私の代で勝てなかったから、本当に嬉しいね。よくやってくれました」と満面の笑みを浮かべました。
レースはテレビ観戦だったそうです。「もっと人気になっていれば、競馬場へ応援に言ったんですけどね」と頭をかきます。いつもよりも、やや後ろ目の位置どり。それでも「前半、脚を溜めていけば、後半に必ず良い脚を使ってくれる」と信じての観戦です。好位から抜け出しを図るオレハマッテルゼ、追いこむインセンティブガイ。そしてマイル得意のアルビレオの人気3頭のデットヒートを尻目に、江田騎手からゴーサインが出されるとグイグイ伸びて、そして先頭ゴール。喜びに浸る間になく、レース直後から次々に届く酒と花。そして鳴り止まない電話に「家族みんなが家にいて良かったです」と慌しかった“そのとき”を振りかえってくれました。
牧場時代のフジサイレンスは「キリッとした馬でした。生まれたときから丈夫な馬で、ケガや病気とは無縁でしたね」とのこと。500キロにならんとする雄大な馬格を誇り、デビュー以来、2度の休養を挟んだだけで、ほとんど休むことなく40戦以上を使われいるあたり、牧場時代からその片鱗を見せていたようです。
「勝つときは、こんなものかもしれませんね。すべてがうまくいったんです」と孝志さんは満足そう。牧場に初の栄冠をもたらしてくれた馬に対し、今後も「無事に、とにかく無事に、そして長く走って欲しいですね」と北の大地からエールが送られています。