重賞ウィナーレポート

2007年05月13日 ヴィクトリアマイル Jpn1

2007年05月13日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:コイウタ

プロフィール

生年月日
2003年02月24日 04歳
性別/毛色
牝/栃栗毛
戦績
国内:16戦5勝
総収得賞金
236,292,000円
フジキセキ
母 (母父)
ヴァイオレットラブ  by  ドクターデヴィアス(IRE)
馬主
(有) 前川企画
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
奥平 雅士
騎手
松岡 正海
  • 社台ファーム
    社台ファーム
  • 社台ファーム風景
    社台ファーム風景
 先週のNHKマイルカップは17番人気のピンクカメオが優勝し、3連単はG1史上最高となる973万馬券を記録。
 「今週も荒れる」「いや、今週こそ堅い」との意見が二分したヴィクトリアマイルを制したのは12番人気のコイウタだった。2着、3着にも人気薄の馬が入着したことで、三連単は228万という大荒れの結果となった。

 コイウタを生産したのが千歳・社台ファーム。
 このレースにもコイウタの他にデアリングハート、アグネスラズベリも出走しており、最後の直線で2着馬を交わさんばかりの勢いを見せたデアリングハートは3着入着を果たしている。

「大きな仕事をしてくれて嬉しいです」とは社台ファーム事務局の長浜卓也さん。勿論、TVの前では3頭全てに声援を送っていたが、戦前ではそれほどの人気を集めていなかったコイウタの勝利に、正直驚いています、とも付け加えてくれた。

 「血統的にもビハインドザマスク(スワンSなど重賞3勝)の近親馬ということでスピード能力が高いだけでなく、母の父がドクターデヴィアスということもあってか渋い馬場でも苦にしないようです。牧場の頃からあか抜けた馬でデビューも速かったですし、その後のクラシック戦線での活躍は皆さんご存じの通りかと思います」(長浜さん)
 
 しかし、桜花賞で3着に敗れたあと、初の戴冠を目指したオークスでまさかの競走中止。ただ、大事には至らなかったのが救いと言えた。その後の競走成績こそ振るわなかったものの、前走のダービ卿CTでは2着に入り、復活を感じさせた。

「今回のヴィクトリアマイルは距離こそ違うものの、ほぼ一年前に悔しい思いを感じたのと同じ舞台ですからね。その時のリベンジを果たせたことにもなるんですかね」(長浜さん)

 殊勲の母ヴァイオレットラブは今年の4月5日にコイウタの全妹となるフジキセキの牝馬を誕生させている。「体高もあっていい馬が産まれてくれました」と長浜さん。元々、コイウタはクラシックだけでなく古馬となってからの活躍も期待しており、本格化し今、古牝馬路線の中心となっていく可能性もある。そして、今年産まれた妹にもGⅠ馬となった姉に続く活躍が充分に期待できそうだ。

 実は社台ファームではNHKマイルカップの勝ち馬であるピンクカメオの育成調教も行っている。これで桜花賞、NHKマイルカップと関係馬が優勝。今週のオークスだけでなく、来週のダービーにも有力馬が多数出走を表明しており、春のGⅠ戦線の主役ともなっていきそうな勢いを感じる。