重賞ウィナーレポート

2005年01月30日 京都牝馬S G3

2005年01月30日 京都競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アズマサンダース

プロフィール

生年月日
2001年02月08日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:11戦2勝
総収得賞金
157,648,000円
サンデーサイレンス(USA)
母 (母父)
オースミシャイン  by  シンボリルドルフ
馬主
東 哲次
生産者
日高大洋牧場 (門別)
調教師
藤岡 健一
騎手
藤岡 佑介
  • 雪の日の放牧風景~日高大洋牧場
    雪の日の放牧風景~日高大洋牧場
 日高は厳寒期でこの3日ほど雪の日が続いている。案内所から門別に向かう国道235号線も圧雪状態で視界も悪い。この時期、牧場見学は晴れていれば眩いばかりの美しさがあり、雪の日も幻想的で素晴らしいしいのですが、車の運転にはご注意を。

 さて、本馬の生産牧場は門別町旭町の日高大洋牧場。丘の上にある同牧場の広大な敷地は雪に覆われているが、ここに繁殖部門の牧場とトレーニングコースを持つ育成牧場が隣接しており、繁殖牝馬42頭と育成馬約60頭の飼養・調教を36名のスタッフでこなしている。
 かつて、名馬スペシャルウィーク(‘98年日本ダービー他、現在社台スタリオンSで種牡馬生活)など多数の活躍馬を輩出しているが、本馬の初重賞制覇は2年前のチューニー(’05年クィーンカップ)以来の重賞制覇となるだけに同牧場の喜びも大きい。

 この牧場を取り仕切る小野田宏マネージャーは、久し振りとなる生産馬の快挙にほっとした表情を浮かべ「新馬戦の1着以来、惜敗が続き、早いところで1勝させたかったので嬉しいですね。競馬場のパドックでは馬体を良く見せていたので期待は持ちました」と語る。
 レースでは、初めての抑える競馬で直線を抜け出し、上がりタイム32秒8の剛脚で快勝したが「今まで先行していた本馬には初めての展開で、このレースで新しい面の能力が出ました。(藤岡健一郎)調教師の英断でしたね。息子さん(藤岡佑介騎手)も上手く乗ってくれましたよ」と感謝の気持ちを表す。

 本馬の幼駒の頃は「今の体型と想像の出来ないようなゴロンとした感じでした。2歳になって体つきが変わりましたね。性格も親に似ないで大人しかったですよ」と振り返る。
 本馬の母はオースミシャインで母の父シンボリルドルフのうるさい性格を引き継いでいるという。本馬の父がサンデーサイレンスなので確かに大人しい性格は気になるが「父親が同じだったスペシャルウィークと性格が少し似ていますね」と名馬スペシャルウィークの幼駒時代を知る小野田マネージャーは懐かしそうに微笑む。

 母オースミシャインは同牧場産で、母の母コランディアガール(母母父ネヴァービート、同牧場がオーナーで現役時代活躍した期待馬)を引き継ぐ同牧場の大事な血統後継馬。本馬は第6仔となるが上に全兄オースミロッキー、半姉オースミジャーニー(父エリシオ)等がおり、3歳の半弟(父スペシャルウィーク)はデビューを前に調教中、2歳の半妹(父同)は美浦トレーニングセンター近くの育成場に、また明けて1歳の半妹(父アグネスタキオン)は同牧場で中期育成中だ。今年は4月にダンスインザダークの仔が誕生予定で、さらに期待の新種牡馬キングカメハメハを配合予定だという。

 小野田マネージャーは「サンデーサイレンスの後、何を付ける(種付けする)か迷います。でも、まもなくデビューするスペシャルウィークの仔は楽しみですよ」と身内の内国産馬の活躍に期待を寄せる。大切にする血統後継馬に“これでもか”と言わんばかりに名血を注ぎ込む同牧場の産駒には目を離せない。寒風吹く京都競馬場で行われた牝馬限定マイル重賞・第40回京都牝馬S(GIII)は、単勝4番人気のアズマサンダースが上がり3ハロン32秒8の瞬発力を発揮し、11戦目で念願の初重賞Vを達成した。