重賞ウィナーレポート

2010年03月20日 ファルコンS G3

2010年03月20日 中京競馬場 曇 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エーシンホワイティ

プロフィール

生年月日
2007年03月27日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:9戦3勝
総収得賞金
280,272,000円
サクラバクシンオー
母 (母父)
ライジングサンデー  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
(株) 栄進堂
生産者
千代田牧場 (静内)
調教師
松元 茂樹
騎手
北村 友一
 3歳短距離王決定戦のファルコンS(G3)。今年はこの距離で過去2回レコードを記録しているエーシンホワイティが優勝した。

 同馬を生産した千代田牧場は、昭和20年に千葉県で開場した日本でも有数の歴史を誇る牧場だ。その後、昭和30年には新ひだか町に静内牧場を設立。現在は90ヘクタールの静内牧場で生産、育成(休養含む)を行い、美浦トレーニングセンターから近距離にある千葉牧場はトレセンからのスムーズな入退厩を可能にする前線基地として50馬房をフル稼働している。

 イチフジイサミ(天皇賞(春))スマイルトゥモロー(オークス(G1))スカッシュソロン(安田記念)ニッポーテイオー(安田記念(G1))ビクトリアクラウン(エリザベス女王杯)等など。同牧場からは日本の競馬史を語る上で欠かせない名馬たちが生まれ、育っている。今回のファルコンS(G3)に優勝したエーシンホワイティも千代田牧場が生産し、1987年のエリザベス女王杯(G1)に勝ったタレンティドガールの孫という血統だ。

 「この血統から、また活躍馬を出せたことは嬉しいです」と同牧場の飯田正剛代表も満面の笑みを広げた。エーシンホワイティの12代母ビューチフルドリーマーは明治40年小岩井農場によって輸入された繁殖牝馬だが、とくに近年の活躍馬が多いのは1967年に千代田牧場が生産したワールドハヤブサを起点としたファミリーだ。ワールドハヤブサは1962年のオークス馬オーハヤブサ直仔。今回の勝利は“ハヤブサ=ファルコン”ファミリーを象徴するような1勝になった。

 そしてエーシンホワイティは2007年のセレクションセール当歳市場取引馬だ。「生まれたときからバランスのよい、綺麗な馬でした。だから、当歳市場にも自信をもってラインナップしましたよ」という。その言葉を裏付けるように母親のライジングサンデーには1歳年上のアイスブルーから5年連続でサクラバクシンオーを配合している。そうした販売申込者の期待に応えるように、「ライジングサンデー2007」は同市場において2610万円(税抜)で落札。2番目の高額落札馬となった。その後は、1歳秋までを千代田牧場で過ごして、岡山県の栄進牧場久世育成センターに移動。本格的な調教を積まれて、2歳6月に阪神競馬場でデビューした。

 飯田代表は競走馬の生産、育成、調教、そして出走を陸上のリレー競技に例えることが多いのだが、今回の勝利は第1、第2走者として責務を果たし、第3走者へとスムーズにバトンを受け渡したということになろう。

 また、今回のレースはハナ差2着も千代田牧場が生産したトシギャングスターだった。前半3ハロンが33秒0というハイペースで流れる中で後方に待機し、インから力強く伸びて一度は先頭にたったが、最後はエーシンホワイティの豪脚に屈した。「最後は、どちらも負けるな、同着になれ!と思いましたよ」と複雑な表情になったが、明け3歳馬の活躍には満足そう。牝馬のベストクルーズは昨年のファンタジーS(Jpn3)2着で阪神ジュベナイルフィリーズ(Jpn1)3着。年明けのフラワーC(G3)でも4着と牝馬戦線の上位をにぎわせ、ダイワバーバリアンは朝日杯フューチュリティS(Jpn1)3着のあと、きさらぎ賞(G3)5着、弥生賞(G2)4着と牡馬のクラシック戦線で健闘を続けている。またバーディバーディもダートでは底を見せていない。

 千代田牧場の馬たちから目が離せそうにない。