重賞ウィナーレポート

2009年05月16日 京王杯スプリングC G2

2009年05月16日 東京競馬場 曇 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:スズカコーズウェイ

プロフィール

生年月日
2004年03月22日 05歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:21戦6勝
総収得賞金
182,614,000円
Giant's Causeway(USA)
母 (母父)
フレンチリヴィエラ(USA)  by  フレンチデピュティ(USA)
馬主
永井 啓弍
生産者
グランド牧場 (静内)
調教師
橋田 満
騎手
後藤 浩輝
  • 母フレンチリヴィエラ
    母フレンチリヴィエラ
  • 喜びの伊藤佳幸社長~プリモファームの事務所で
    喜びの伊藤佳幸社長~プリモファームの事務所で
  • スズカコーズウェイの半妹(父ディープインパクト)
    スズカコーズウェイの半妹(父ディープインパクト)
  • 同

  • グランド牧場の繁殖場プリモファーム
    グランド牧場の繁殖場プリモファーム
 安田記念の前哨戦、京王杯スプリングカップはスズカコーズウェイが優勝した。日本では数少ないジャイアンツコーズウェイ産駒の牡馬が、5歳にして充実期を迎えた。
 本馬を生産したのは新ひだか町静内のグランド牧場。主な生産馬には天皇賞(春)を制したスズカマンボやダート重賞で活躍したスマートボーイ、プリエミネンスらの名が挙がる。
 同牧場は、日高でも最も古い牧場のひとつで軍馬の育成を手がけた歴史を持つ。現在は、静内真歌の本場(育成が中心)と繁殖分場、新冠町高江の繁殖分場などと、最近は静内豊畑に繁殖場としてプリモファームを築いている。何れも手のかかった奇麗な牧場で、繁殖牝馬約80頭には万全の管理体制が取られている。
 
 プリモファームの新しい事務所で応援していたという伊藤佳幸社長にレースの感想を伺うと、開口一番に、
 「涙が出ました。」
と照れくさそうに語る。久し振りのの重賞制覇に感激もひとしおのようだ。
 「今回は重賞でしたし、レース前はどこまでやれるかなと思って見ていましたが、見事に勝ちましたね。本当に強くなったなと感心しました。レース後の後藤騎手の談話でもありましたが、非常に乗りやすい馬だそうですね。東京コースも合っているのでしょう。」
と、レースを振り返る。

 「以前、橋田調教師が『この馬は沈むようなフォームで走る』とおっしゃっていましたが、背が小さい馬ですけど、ごむまりのような全身バネで良い走りをする馬ですね。」
どうやら本馬は優れた運動神経と競走馬としてのセンスを持ち合わせているのだろう。
 本馬の仔馬時代の印象を伺うと、
 「初仔でしたから小さかったけど、筋肉がやわらかく中身はしっかりしていました。デビューまでも順調でしたし、これは活躍が期待できる馬だと思っていました。」
と、牧場にいた頃から素質の片鱗を覗かせていたようだ。
 次走はいよいよマイルの大一番・安田記念の予定。当日は競馬場まで応援へ駆け付ける予定だそうだ。

 母フレンチリヴィエラは米国で重賞勝ちを含む4勝という実績を残した。
 「母馬はサンデーサイレンス系に種付けできる系統であることと、近親にプリークネスSの勝ち馬がいて、血統も優秀。加えてスピードもあるという魅力に惹かれて購入しました。」
 今年の当歳には父ディープインパクトの牝馬が無事産まれている。
 「当歳の半妹も良い馬ですよ。父のディープインパクトに似ていますね。」
と、こちらも将来が楽しみだ。

 いよいよ重賞ウイナーの仲間入りを果たしたスズカコーズウェイ。今後は強豪との対戦が続くことだろう。
 「これからも無事に走ってもらいたいですね。更に力を付けて、GⅠ馬になってくれたら最高です。」
と、伊藤社長はエールを送った。着実に力を付けた本馬の戦いぶりに今後も注目したい。