2009年05月03日 天皇賞(春) G1
優勝馬:マイネルキッツ
プロフィール
- 生年月日
- 2003年03月18日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:29戦6勝
- 総収得賞金
- 557,038,000円
- 母 (母父)
- タカラカンナ by サッカーボーイ
- 馬主
- (株) サラブレッドクラブ・ラフィアン
- 生産者
- ビッグレッドファーム (新冠)
- 調教師
- 国枝 栄
- 騎手
- 松岡 正海
その瞬間、ビッグレッドファームは歓喜の渦が沸き起こったという。
レースの前半は中団やや後方に位置していたマイネルキッツが早めに進出し、直線ではインから渋太く伸びて先頭でゴールへと飛び込んだ。マイネルキッツにとって初めての重賞制覇が天皇賞・春というビッグタイトル戴冠の瞬間だった。
ビッグレッドファーム生産馬としてもマイネルチャールズが昨年の皐月賞で1番人気を裏切ってしまった雪辱を果たすとともに、牧場創設以来35年目にして初のG1奪取。悲願達成となった。また、馬主法人のサラブレッドクラブ・ラフィアンとしては04年の朝日杯フューチュリティSを制したマイネルレコルト以来、4年半ぶり4度目のG1制覇だ。
「レースは牧場のラウンジで見ていたのですが、3角の手前でコスモバルクが立ち上がってズルズル下がっていったんです。一瞬、故障かと思ってコスモバルクばかりを探していたら、いつの間にかマイネスキッツが良い位置で競馬をしていました。だから、肝心なところを見逃してしまって」と頭をかいたのは同ファームで繁殖を担当している野本大作さん。それでも「直線では、みんなで大騒ぎ。立ち上がったり、机を叩いたり(笑い)」。これまで幾度となく煮え湯を飲まされ続けた「黒、赤十字襷、袖黄縦縞」の勝負服が迫り、それを突き放してのゴールだっただけに喜びもひとしおだったようだ。
同じく、マイネルキッツが生まれたときから世話をしていた重村なお子さんは「いつも母親のあとを追いかけて走り回っていた、あの子が」と感慨深い表情でレースをふりかえった。
母のタカラカンナはマイネルキッツを受胎した状態で㈱ジェイエスの繁殖セールに上場されたところを、ビッグレッドファームによって落札された。「道営競馬で2戦2勝。JRAに移籍したあとも5勝した馬ですからね。期待を込めて購入したと思います」というが落札価格は525万円(税込)。やや地味な血統が評価されなかったのか、それとも出産未経験が嫌われたのか、思いのほか世間の評価は低かった。
「生まれたときは、骨格の良い馬だなっていうのはありました。健康に生まれましたので、これならビッグレッドファームのハードトレーニングにも耐えてくれそうな、そんなイメージだったことを覚えています」と野本さんが記憶の糸をたどる。「ウチは早い時期から馬にとっては厳しいトレーニングを課しますので、それに耐えられるような馬をつくっていかなければならない。そのためには繁殖牝馬のお腹の中にいる時期からケアと管理は欠かせません」と繁殖担当としての苦労をチラリ。「ご存知のように、ウチは全国の市場で馬を買い集めてきます。それらに負けない馬づくりが目標であり、求められていると思います」とプライドをのぞかせた。
そうした苦労が身を結び、1700万円で募集されたマイネルキッツは、募集からほどなくして満口になった。「育成に入ってからのことは良く分かりませんが、とにかく人気があって、欲しくても買えなかった人がたくさんいたそうです。その方たちには申し訳ないですが、人気があるということはやっぱり嬉しいですね」と笑顔を見せる。その後のことはみなさまご存知のとおり。生まれたときのイメージそのままにタフで、健康に競走生活を続けている。「無事是名馬」は本当の意味での名馬となった。
「タカラカンナは買ってきた馬ですけど、昨年の福島牝馬Sを勝ったマイネカンナはビッグレッドファームの生産馬です。今年はディープインパクトの牝馬を出産してくれていますし、このファミリーがどんどん広がってくれると嬉しいですね。そして、種牡馬展示会でみなさまにお披露目できたら最高です」と夢を広げている。
レースの前半は中団やや後方に位置していたマイネルキッツが早めに進出し、直線ではインから渋太く伸びて先頭でゴールへと飛び込んだ。マイネルキッツにとって初めての重賞制覇が天皇賞・春というビッグタイトル戴冠の瞬間だった。
ビッグレッドファーム生産馬としてもマイネルチャールズが昨年の皐月賞で1番人気を裏切ってしまった雪辱を果たすとともに、牧場創設以来35年目にして初のG1奪取。悲願達成となった。また、馬主法人のサラブレッドクラブ・ラフィアンとしては04年の朝日杯フューチュリティSを制したマイネルレコルト以来、4年半ぶり4度目のG1制覇だ。
「レースは牧場のラウンジで見ていたのですが、3角の手前でコスモバルクが立ち上がってズルズル下がっていったんです。一瞬、故障かと思ってコスモバルクばかりを探していたら、いつの間にかマイネスキッツが良い位置で競馬をしていました。だから、肝心なところを見逃してしまって」と頭をかいたのは同ファームで繁殖を担当している野本大作さん。それでも「直線では、みんなで大騒ぎ。立ち上がったり、机を叩いたり(笑い)」。これまで幾度となく煮え湯を飲まされ続けた「黒、赤十字襷、袖黄縦縞」の勝負服が迫り、それを突き放してのゴールだっただけに喜びもひとしおだったようだ。
同じく、マイネルキッツが生まれたときから世話をしていた重村なお子さんは「いつも母親のあとを追いかけて走り回っていた、あの子が」と感慨深い表情でレースをふりかえった。
母のタカラカンナはマイネルキッツを受胎した状態で㈱ジェイエスの繁殖セールに上場されたところを、ビッグレッドファームによって落札された。「道営競馬で2戦2勝。JRAに移籍したあとも5勝した馬ですからね。期待を込めて購入したと思います」というが落札価格は525万円(税込)。やや地味な血統が評価されなかったのか、それとも出産未経験が嫌われたのか、思いのほか世間の評価は低かった。
「生まれたときは、骨格の良い馬だなっていうのはありました。健康に生まれましたので、これならビッグレッドファームのハードトレーニングにも耐えてくれそうな、そんなイメージだったことを覚えています」と野本さんが記憶の糸をたどる。「ウチは早い時期から馬にとっては厳しいトレーニングを課しますので、それに耐えられるような馬をつくっていかなければならない。そのためには繁殖牝馬のお腹の中にいる時期からケアと管理は欠かせません」と繁殖担当としての苦労をチラリ。「ご存知のように、ウチは全国の市場で馬を買い集めてきます。それらに負けない馬づくりが目標であり、求められていると思います」とプライドをのぞかせた。
そうした苦労が身を結び、1700万円で募集されたマイネルキッツは、募集からほどなくして満口になった。「育成に入ってからのことは良く分かりませんが、とにかく人気があって、欲しくても買えなかった人がたくさんいたそうです。その方たちには申し訳ないですが、人気があるということはやっぱり嬉しいですね」と笑顔を見せる。その後のことはみなさまご存知のとおり。生まれたときのイメージそのままにタフで、健康に競走生活を続けている。「無事是名馬」は本当の意味での名馬となった。
「タカラカンナは買ってきた馬ですけど、昨年の福島牝馬Sを勝ったマイネカンナはビッグレッドファームの生産馬です。今年はディープインパクトの牝馬を出産してくれていますし、このファミリーがどんどん広がってくれると嬉しいですね。そして、種牡馬展示会でみなさまにお披露目できたら最高です」と夢を広げている。