重賞ウィナーレポート

2006年05月06日 京都新聞杯 G2

2006年05月06日 京都競馬場 晴 良 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:トーホウアラン

プロフィール

生年月日
2003年04月16日 03歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
214,172,000円
ダンスインザダーク
母 (母父)
ヒドゥンダンス(USA)  by  Nureyev(USA)
馬主
東豊物産 (株)
生産者
前川 正美 (三石)
調教師
藤原 英昭
騎手
藤田 伸二
  • 前川正美社長と本馬の母
    前川正美社長と本馬の母
  • 母ヒドゥンダンス
    母ヒドゥンダンス
  • 前川正美牧場
    前川正美牧場
 前川正美牧場(新ひだか町三石歌笛)は、海岸沿いの国道から鳧舞川(ケリマイ)を15分ほど遡った支流のところにあります。周りは木々の葉が芽生え始めた山が迫っていて、緑の綺麗な季節を迎えようとしている。
 同牧場は、繁殖牝馬10頭を飼養する家族経営の牧場で、前川正美社長夫妻と先代の三夫さんの3人で営まれています。

 本馬の重賞制覇は、牧場にとっても初めての経験だけに喜びは大きい。
 堆肥撒きをしていた正美さんはトラクターから降りて、優しそうな笑顔を浮かべながら話す。「もうビックリですよ。先週、調教師さん(藤原英昭氏)が来られて、“体重が戻っていれば良いよ、様子見だね”と言われていたので、気を楽にしてテレビで応援していました。でも、直線で並んだと思ったら、早めに抜け出たもんだから、もうゴールまでハラハラドキドキでしたね。」と、まだ戸惑いの表情を残す。その晩は当然のように近所の方が駆けつけての祝勝会。「いままではお祝いに行くだけ。一度でも良いから、うちの馬が勝って、うちでやりたかったからね。」と念願を叶えたようだ。
 今回の優勝でダービー出走権を得たが、お産を残す前川社長、「応援に行けるような状況ではないけれど、周りの人も言ってくれるし、一生に一度の事かもしれませんしね。何とか行きたいですよ。」と本馬の晴れ舞台を楽しみにしている。

 本馬の母はヒドゥンダンス(母の父Nureyev 米国産)で、馬仲間の先輩に進められて輸入した期待の繁殖馬。(本馬にはノーザンダンサーM3×S4のインブリードも入る) 兄弟では、半姉のアブソルートダンス(父エンドスウィープ)等、地方での活躍馬が目立つ。本馬は第5仔になるが2歳全妹、1歳半妹(父フォーティナイナー)と続き、間もなく全兄弟が再び誕生の予定(10日牝馬誕生)。今年も同父のダンスインザダークとの配合を予定しているという前川社長は「走っている馬に付いて、何とかあやかりたいですからね。」と語るが、本馬の快挙に、前川正美牧場オリジナルの血統馬が出来上がっている。

 今年の、G戦線では日高の生産馬の活躍が目立ちますが、また、その多くが家族経営の牧場で、お互いに喜び合っている。大きな苦労を続ける馬産地日高の小規模経営の牧場の努力が開花してきました。もう直ぐ、日高の桜も満開となります。