重賞ウィナーレポート

2005年10月02日 シリウスS G3

2005年10月02日 阪神競馬場 曇 良 ダ 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ブルーコンコルド

プロフィール

生年月日
2000年04月11日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:24戦7勝
総収得賞金
977,809,000円
馬主
(株) 荻伏レーシング・クラブ
生産者
川上 悦夫 (新冠)
調教師
服部 利之
騎手
幸 英明
  • 当歳の半弟(父アグネスタキオン)
    当歳の半弟(父アグネスタキオン)
  • 母エビスファミリー(中央)
    母エビスファミリー(中央)
  • 母エビスファミリー
    母エビスファミリー
6月のプロキオンSに続く本馬の重賞制覇に川上悦夫牧場の表情は明るい。
川上社長は、レース当日も忙しく移動の飛行場で本馬の優勝を観戦したという。「よく勝ってくれましたね。やはりダートが合っているのか、強い勝ち方でした。牧場の勉強をして帰ってきた長男(武志さん)も喜んでいますよ。仕事の励みになっているでしょう。でも私の本音は、GIを取ってもらいたい。やはり寂しいですよ」と嘗て、GI馬マヤノトップガンなどを輩出した生産者の気持ちを素直に語る。

本馬の母や血統の話は、前回のプロキオンSの取材レポートを見ていただきたいが、川上社長に、これからの競走馬づくりの話などをお伺いした。
同牧場は、この東泊津の本場だけで約100hの広い土地をもち、今年の春には門別町の育成場を取得し、総合的な牧場を目指している。長男の武志さんも戻り準備に余念のないところだ。川上社長は「強い競走馬を作るには、条件の整った環境が大事ですよね。基礎体力をつける為に夜間放牧にも力をいれたいし、育成・トレーニングまで納得のいくように育てたいですよ。門別の育成場には将来、坂路も造る予定です。」と語る。
今までにも、良い土地(牧草)作りなどに努力して、結果を残してきただけに周囲の期待もある。最後に話されたが「今は、牧場を経営するのが大変な時期です。夢を果たすまで、何でもするつもりですよ。広い土地があるので、夜間放牧の預託馬を扱うことも考えています。」と“馬が好きな人間”という川上社長の信念は強い。

日高でも、この数年“強い馬に育てる”という話題が多い。“ブレーキング”(馴致)、“夜間放牧”、“坂路”などキーワードも幾つかあるようだ。

本場の母エビスファミリーは、相変わらずゆったりとした馬体を見せて元気そうだ。遅生まれで離乳時期も遅くなった当歳が母親のそばにいたが、とても大きくなっている。「最近、急に背丈が大きくなった。芝向きのようにも見えるので、楽しみですよ。」と川上社長は、アグネスタキオンの仔に期待を膨らます。

苦労してきた川上社長だが、会話の中で「最近、息子が馬の話をするようになりましたよ。」と目を細めた印象が残る。本馬の活躍は川上親子を応援しているようだ。1番人気のブルーコンコルド(牡5歳、父フサイチコンコルド、栗東・服部厩舎、生産・川上悦夫氏)が、トップハンデと休養明けを克服。プロキオンSに続き重賞を連覇した。3/4馬身の2着には重賞初挑戦の4歳牝馬、ミリオンベルが突っ込んだ。