【取材先：キングカメハメハ号の生産者、ノーザンファーム（事務局・中尾氏）】


-------キングカメハメハの重賞初Ｖ、おめでとうございます。

　ありがとうございます。今回頭数も手頃で相手と思われた馬を前に見ながらのレース運びができたことが、好結果につながったのではないでしょうか。そういう意味では異なる条件下でのレースでは、まだまだ課題も多いと思ってます。

　
-------毎日杯は過去にテイエムオペラオーやクロフネなどの活躍馬を輩出しています。この馬にも今後大きな期待がもたれますね。
　
　確かに近年このレースを制した馬たちが後々幅広い活躍をしていることから、本馬の将来性にも大変期待をしています。牧場で誕生してからの発育状態や競馬をしながらの成長プロセスを思いますと、本当に完成されるのは古馬になってからと思いますが、このところのレースでは馬自らの競走意欲にとても覇気が感じられます。さらに変わり身が見られれば、思いのほか早い時期に勲章を得られるかもしれません。


-------先週のブラックタイド号（スプリングＳ）に続き、またもクラシックトライアルを制覇しました。ただ、キングカメハメハ号は皐月賞に向かわないとの報道もありましたが・・・。

　ご存知のようにブラックタイド号とはオーナーも同じです。もちろんダービーは大目標ではあると思いますが、その前に一度東京コースを経験し、マイル戦の厳しい流れも試してみたいようですので、おそらくはＮＨＫマイルからダービーへの向かうのではないでしょうか。


-------本馬は輸入馬で、2001年のセレクトセールの取引馬です。当時、せり会場でノーザンファームのスタッフの方に「お薦めの馬は？」とお訊きすると、まっ先にこの馬の名前が挙がったのを記憶しております。やはり相当自信を持って上場した一頭だったのでしょうね。

　父キングマンボの持ち込み馬でしたので、同種牡馬の当歳産駒の特徴的なデータは充分とは言えませんでしたが、せり会場での他馬との比較以前に、当歳馬としてのバランスの良い馬体と品性に誰もが高い評価を与えていたのではないでしょうか。


-------特に他馬と違った点はありましたか？

　他馬との違いが現れてきたのは、育成段階に入ってからの成長プロセスでした。それは馬体の各所の発育が前駆→胴体→後駆とパーツごとにまるで別々の速度をもって発育してきた点です。そのため、せり当時の全体にバランスの良かった馬体が一旦くずれ、その後さらに変化成長していった馬として、当牧場でも珍しいタイプの一頭でした。


-------母マンファスを輸入した経緯を教えてください。　

　本馬は2000年のキーンランド11月セールで購入しました。本馬の兄で初仔のザデピュティ（The Deputy）が米国ＧI勝ち馬でもありましたので、かなり高い評価を受けていた一頭だったと思います。

　
-------今年はジャングルポケットの仔が生まれる予定ですね。父も牧場生産馬ですから、特に楽しみではないでしょうか。

　昨日の３月29日に、ジャングルポケットの鹿毛の牝馬が誕生しています。父こそ違えどやはりとても品性のある中サイズの馬体で、兄の成長力からも将来をとても楽しみにしています。　第51回毎日杯は、２番人気のキングカメハメハが、中団から豪快に伸びて快勝。メンバー最速の上がり３ハロン34秒５で突き抜けて、すみれＳに続く２連勝で重賞初制覇を飾った。
　キングカメハメハの馬主は金子真人氏。生産者は北海道・早来町のノーザンファーム。母はマンファスは愛国産の輸入牝馬で、本馬はその第４仔にあたる。半兄に、米国ＧIサンタアニタダービーを勝ったThe Deputy（牡、1997生、黒鹿毛、父Petardia）がいる。