重賞ウィナーレポート

2004年10月03日 スプリンターズS G1

2004年10月03日 中山競馬場 雨 不良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:カルストンライトオ

プロフィール

生年月日
1998年05月03日 06歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:31戦9勝
総収得賞金
422,044,000円
ウォーニング(GB)
母 (母父)
オオシマルチア  by  クリスタルグリツターズ(USA)
馬主
清水 貞光
生産者
大島牧場 (荻伏)
調教師
大根田 裕之
騎手
大西 直宏
  • お祝いに囲まれる小島社長夫妻と母
    お祝いに囲まれる小島社長夫妻と母
  • 放牧地からの大島牧場
    放牧地からの大島牧場
 本馬の前走(8.22アイビスサマーダッシュGIII)に続くGI制覇に生産牧場の浦河町・東栄の大島牧場では喜びが弾けた(牧場の詳細は当コラムのアイビスサマーダッシュを参照ください)。浦河町でも約3年振りの同町GⅠ制覇に沸き立ち、馬産界の重鎮でもある浦河の谷川町長もレース直後にお祝いに駈け付けてくれたという。同牧場の小島社長の自宅の居間はお祝いの花やお酒で埋まり、当日は今年2月に亡くなった先代の哲雄さんの遺影を前に多くの関係者や近所の方と記念写真(こちらでは通称“万歳写真”と呼ぶ)を撮ったそうだ。GⅠ制覇は同牧場にとっても1974年のコーネルランサー(日本ダービー)以来30年振りの快挙となる。

 小島社長は、「コーネルランサーの時はまだ学生時代でしたから、私の代での本馬のGⅠ制覇は嬉しいですよ。GⅠはやはり違いますね。今になって実感が湧いてきました」と笑みを見せる。今回、中山競馬場で応援した感想を聞くと「5番人気でしたから気は楽でした。パドックでは落ち着き、騎手が乗ったらしっかりと気合が入っていた。大人になりましたね。スタートが心配でしたが、上手く出てくれたので、これで負けてもしょうがないと思いました」と冷静に観戦していたが、軽快に逃げた4コーナーでさらに二の脚で伸びると「行けそうだと思い、直線では“行け、行け”と騒いでいたかも知れません」と我を忘れた様子。これがGⅠレースの興奮なのだろう。
 先代思いと言われる小島社長の話を聞いていた母親の夏江さんも満面の笑みを浮かべ、二人を見つめる千鶴子夫人も幸せそうだ。
 大島牧場は現在14頭の繁殖牝馬を持ち4人のスタッフと共に営まれる中規模の牧場だが、どの牧場にとってもGⅠ制覇というタイトルはやはり凄い存在だ。

 本馬の母オオシマルチアは当歳の半妹(父カリズマティック)と離乳を終え、ようやく落ち着いたところ。1歳の半妹(父スペシャルウィーク)は鵡川町の育成牧場で本格的な中期育成に入った。前回取材で札幌開催に期待を寄せた3歳現役の半妹ピサノケリー(父デヒア)は精神的なところから結果を出せなかったが、体調は良いという事で中央に戻ってから再度期待が持てそう。

 本馬は、選出されればいよいよ香港スプリントに挑戦だが、小島社長は「選ばれないとね。でも条件はあっているよ」と新潟の直線コース1000mレコードホルダーの本馬に夢が膨らむ。 秋雨前線のもたらす激しい雨の中山競馬場で行われた第38回スプリンターズSは、アイビスサマーダッシュ2勝の6歳馬・カルストンライトオが好スタートから見事な逃走劇を演じ、後続に4馬身差をつけて圧勝した。