重賞ウィナーレポート

2006年04月08日 NZトロフィー G2

2006年04月08日 中山競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:マイネルスケルツィ

プロフィール

生年月日
2003年02月17日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:7戦3勝
総収得賞金
281,791,000円
グラスワンダー(USA)
母 (母父)
アラデヤ(GB)  by  Machiavellian(USA)
馬主
(株) サラブレッドクラブ・ラフィアン
生産者
富田 恭司 (様似)
調教師
稲葉 隆一
騎手
柴田 善臣
 単勝一倍台の支持に応える危なげない勝利で、NHKマイルカップの本命へと躍り出たのがマイネルスケルツィ。しかし、生産者の富田恭司さんはこの結果を受けてもなんら動ずることはないようで、「みんなと変わりないことをやっているから、特別に話す事なんてないですよ」と、どこか照れくさそうに話してくれます。

 富田さんの牧場がある様似では、今年に入って清水スタッドが生産したフジサイレンスが東京新聞杯を勝利したばかりです。「清水さんとは仲がいいこともあって、フジサイレンスの勝利は嬉しかったのですが、まさか次に自分の牧場から重賞勝ち馬が出てくるなんて思いもしませんでした」(富田さん)。

 実は富田さんの牧場では、これが初めての中央での重賞勝利。地方では全日本3歳優駿や、羽田盃を制したヒカリルーファスといった名馬を送り出してはいるのですが、より、今の競馬体型にあった馬を送り出すためにと取り組んだのが血統の更新。マイネルスケルツィの母アラデヤも、6年前にタタソールの繁殖牝馬セールで見つけてきた馬です。
 「4代母に、世界各国で様々な一流馬を送り出しているSpecialの名前があったことに惹かれました。以前、家の仕事を手伝いながら、近くの育成牧場に馬を乗りに行っていたことがあるのですが、その時に感じたのが繁殖の血統と、そして競走馬として走れる体型の重要性でした」(富田さん)。
 アラデヤは未出走馬ではありましたが、血統、体型と富田さんの探していた理想に近かった繁殖だったということ。自らの相馬眼が間違っていなかったのを証明してくれたのが、3番仔となるマイネルスケルツィでした。

「スペシャルウィークを父に持つ1歳牝馬を、株式会社サラブレッドクラブラフィアンの代表である岡田紘和さんが見に来てくれたことがあるんですよ。その時に、「アラデヤの牡馬が素晴らしい動きを見せていますよ」と教えてくれたんです」(富田さん)。
 ちょうど同じ時期の競馬雑誌で、期待の2歳馬としてアラデヤの03ことマイネルスケルツィは大きく取り上げられていました。ビッグレッドファームの坂路コースを駆け上る動きは、古馬をも凌ぐもの。その記事を見たファンなら、この結果も当然と思っているのかもしれません。「でも、このレースでも3着、いや掲示板に載ってくれればいいと思ってみていました。1番人気に指示されたことだけで満足でしたから」(富田さん)。

 次走のNHKマイルカップでも、再び1番人気に推されることは確実。しかし、富田さんは当日に東京競馬場に行くことをためらっています。「競馬場に行っていい思い出が無いんですよそれに家にいた方が落ち着いてレースも見られますし」(富田さん)。
 いや、G1の口取り式に生産者の姿が無いのはあまりにも寂しすぎます。その時に味わった感動は、またNHKマイルカップの後の取材で話してもらいましょう。