重賞ウィナーレポート

2007年01月06日 京都金杯 G3

2007年01月06日 京都競馬場 晴 稍重 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:マイネルスケルツィ

プロフィール

生年月日
2003年02月17日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:13戦4勝
総収得賞金
281,791,000円
グラスワンダー(USA)
母 (母父)
アラデヤ(GB)  by  Machiavellian(USA)
馬主
(株) サラブレッドクラブ・ラフィアン
生産者
富田 恭司 (様似)
調教師
稲葉 隆一
騎手
柴田 善臣
  • ふるさとでひと時の休暇に入るマイネルスケルツィ~BRF真歌トレーニングパーク
    ふるさとでひと時の休暇に入るマイネルスケルツィ~BRF真歌トレーニングパーク
  • 激走後の長い旅路を終えホッとした表情を見せるマイネルスケルツィ
    激走後の長い旅路を終えホッとした表情を見せるマイネルスケルツィ
  • 期待の半弟(当歳時)~昨年7月のセレクトセールで撮影
    期待の半弟(当歳時)~昨年7月のセレクトセールで撮影
  • 今年はまだ積雪の無い富田恭司牧場
    今年はまだ積雪の無い富田恭司牧場
  • 山間の富田恭司牧場
    山間の富田恭司牧場
 昨年4月のニュージーランドTの優勝以来、クラシック戦線を賑わせながらも惜敗を重ねた本馬が、新年のお祝いを生産者富田恭司牧場に捧げた。
 この正月は、日高の平地は積雪も無く、このレースが行なわれた翌日には異常な低気圧が本道を襲い、雨を伴った風速48mもの突風が吹き荒れ、様似にある同牧場の厩舎屋根の一部も飛ばされた。しかし、本馬の快挙に富田さんの表情は明るく喜びが弾けるばかりだ。

 正月の休暇も無く忙しく年を越した富田さんは「年明け早々嬉しい限りですね。人気も無いので(7人気)家族と一緒に意外と冷静にテレビを見ていたんですが、勝てると思ったゴール前では、大騒ぎになりました。正月らしいことは何もしなかったので、この晩に近所の方とお祝いの酒を飲んでようやく正月を迎えた気分になりましたよ。うちでは、去年の春に本馬が中央で初めての重賞制覇を果し、また、今度も勝ってくれて幸せですね。それまでの産駒の成績がいまひとつで、自分に歯がゆい思いをしていたので、これ以上の無い人生のピークでもあるような気持ちです。でも、少し人気が少なすぎたかな。」と頑張って好走を続けてきた愛馬を思いやる。
 謙虚に語る富田さんだが、地方で大活躍をしたヒカリルーファス(全日本3歳優駿、羽田盃)も出している。

 本馬の活躍は、富田さんにとっては深い思い入れがあるのですが、それは英国タタソールの繁殖牝馬セールに行って購入した母アラデヤのこと。「血統を更新したいと思っていたのですが、外国に行って馬を買ってくるのは僕等にとっては決死の覚悟の上です。血統や馬体を見て必死になって検討しましたよ。」と導入時を振り返る。その決断と努力の結果が第3仔の本馬の活躍を生み出した。
 また、兄弟のカシマワールド(現役6歳 牡 父Mtoto)、カネトシアーネスト(現役5歳 牡 父フジキセキ)、エイシンイチモンジ(現役3歳 牡 父マンハッタンカフェ)も、すべて2歳戦で中央を勝ち上る好成績で活躍している。
 この兄弟の活躍で明け1歳の半弟(父クロフネ)は昨年7月のセレクトセールで4900万円という高額で落札され富田さんを喜ばせている。
 今年は、父グラスワンダーの全兄弟が4月に誕生する予定で、その後に期待の新種牡馬ロックオブジブラルタル(日本軽種馬協会静内種馬場供用)の配合を決めているそうだ。
 奥さんとお婆ちゃんと3人で切り盛りする中、余暇の少ない富田さんにとって、最近の楽しみは昨年のタタソール・ノベンバーセールの上場馬カタログを読むことだそうで、手元に置いてあったせり5日分となる分厚いカタログを見せてくれた。1日の作業を終えて眠る前のひとときを枕元のカタログと過ごすのが至福の時だと語る。アラデヤに続く次代の基礎牝馬も視野に入っているのか、根っからの馬好きな富田さんの夢は広がる。

 母アラデヤは都合(私の事情)により撮影できませんでしたが、本馬が帰場するので本馬の写真を。
 ビッグレッドファームの蛯名マネージャーは「年始めの金杯での優勝は、また格別な思いがありスタッフ一同喜んでいます。岡田(同グループ代表)も“これで今年の重賞未勝利は無くなった”と冗談交じりに言って喜んでいましたよ。」と2007年の好発進に嬉しそうでした。