重賞ウィナーレポート

2021年01月17日 日経新春杯 G2

2021年01月17日 中京競馬場 晴 良 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ショウリュウイクゾ

プロフィール

生年月日
2016年02月11日 05歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:16戦4勝
総収得賞金
125,415,000円
馬主
上田 芳枝
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
佐々木 晶三
騎手
団野 大成
  • 並んで草を食べる1歳馬たち
    並んで草を食べる1歳馬たち
  • これまでに4頭のダービー馬を送り出している
    これまでに4頭のダービー馬を送り出している

 日経新春杯(G2)で初重賞制覇を果たしたショウリュウイクゾの父は、牡馬三冠を含むG1 6勝馬のオルフェーヴルで、母はチューリップ賞(G3)など重賞で3勝をあげたショウリュウムーン。

 どちらの遺伝が強く出ても、重賞級の活躍が望める血統背景と言えそうだが、育成時に管理をしていたノーザンファーム空港の大木誠司厩舎長は、「毛色もそうですが、何よりも性格に父の影響が出ていました」と苦笑いを浮かべながら話す。

 現在は500kgを超える馬体重で競馬をしているショウリュウイクゾであるが、大木厩舎長が管理を行っているA-1厩舎に来た当初は小柄で、まとまった印象があったという。だが、鞍付けの馴致を行ったときに、父譲りと言える激しい気性が顔をのぞかせた。

 「鞍をのせると、怪獣みたいに暴れまわりました。納得させるまで時間もかかりましたし、大変だった思い出しかありません」

 だが、調教コースで軽い動きを見せていたショウリュウイクゾの姿に、大木厩舎長の期待は膨らんでいく。馴致は手間取ったにも関わらず、調教メニューを順調に消化していったショウリュウイクゾは、2歳6月のメイクデビュー阪神でデビュー。そこで見事に勝利をおさめると、調整のためにA-1厩舎へと戻ってきた。

 「デビュー戦の内容も良かったですし、クラシックを沸かせられるような馬になるのではとの期待も膨らみました。ただ、その後は勝ちきれなかったり、途中からブリンカーを着用していたところを見ると、やはり、気性が影響しているのではとも思うようになりました」

 それでも大崩れをすることなく、順調にクラスを上げていったショウリュウイクゾは、昨年の烏丸Sのレースの後、再びA-1厩舎に戻ってくる。その時の気性の変化に、大木厩舎長は驚かされた。

 「馬自体は古馬となってしっかりしていたのですが、気性が大人しくなりすぎていました。調教でも以前のようにガツンとくる感じが無かった一方で、とても乗りやすい馬になっていました」

 それは心身ともにショウリュウイクゾが大人となった証だったのかもしれない。3勝クラスからの格上挑戦となったこの日経新春杯(G2)。ショウリュウイクゾに課されたハンデは53kgだった。

 鞍上を務めるのは、これが初めての騎乗となる団野大成騎手。だが、折り合いの不安も無く、好位の3番手からスムーズにレースを進めていったショウリュウイクゾは、最後の直線で力強く抜け出しを図り、そのまま後続の追撃を振り切ってゴール。ショウリュウイクゾだけでなく、団野騎手にとっても、これが重賞初制覇となった。

 「斤量、馬場、そして積極的なレースと全てがショウリュウイクゾに合っていたと思います。それでも力を付けているのは明らかですし、距離の心配も無いので、この後のレース選択を含めて、未来が広がるレースとなりました」

 次走は阪神大賞典(G2)を予定。2012年に同レースに出走した父は大逸走をしながら2着となっているが、気性の成長がみられる今のショウリュウイクゾなら、優等生らしいレース内容で、父の無念を晴らしてくれることだろう。