重賞ウィナーレポート

2020年11月23日 東スポ杯2歳S G3

2020年11月23日 東京競馬場 曇 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダノンザキッド

プロフィール

生年月日
2018年01月29日 02歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
336,615,000円
ジャスタウェイ
母 (母父)
エピックラヴ(IRE)  by  Dansili(GB)
馬主
(株) ダノックス
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
安田 隆行
騎手
川田 将雅
  • 育成施設の周りにはイヤリング、繁殖の放牧地も
    育成施設の周りにはイヤリング、繁殖の放牧地も
  • 父ジャスタウェイの育成も行ってきた
    父ジャスタウェイの育成も行ってきた

 育成馬から次々と種牡馬を送り出してきた、ノーザンファーム空港C1厩舎。東京スポーツ杯2歳S(G3)を制したダノンザキッドの父、ジャスタウェイもまた、高見優也厩舎長のスタッフの元で管理が行われ、そしてワールド・サラブレッド・ランキングでは、日本馬として初めて1位の評価を得た競走馬となった。

 「これまでも産駒から重賞勝ち馬が出てはいましたが、自分たちで手がけた育成馬からも出したいと思っていたので、物凄く嬉しいです」と高見厩舎長。育成時の印象としては、父と同様の体幹の良さがあっただけでなく、乗り慣らしで跨がったスタッフが口を揃えて、乗り味の良さを絶賛した。

 「自分としても、ダノンザキッドが走る背中をしていると思いました。厩舎に行ってからの調教も良く、新馬戦から勝ち負けになると期待をしていました」

 6月のメイクデビュー阪神に出走してきたダノンザキッドは、このレースで1番人気の支持を集める。外から勢いよくまくり上げて、最後の直線ではそのまま先団を交わしきるかと思ったが、突然、内側に斜行。それでも脚色は衰えることなく、2着馬のワンダフルタウンに3馬身差を付ける衝撃のデビュー戦を飾る。

 「管理をする安田先生からは、手前を変えづらいと言われていたのですが、それが内にもたれる要因となってしまったのだと思います。それでも安田先生は相当の能力がある馬だとも話していましたし、重賞でもいいところがあるのではと思いました」

 この東京スポーツ杯2歳S(G3)では、メイクデビューよりプラス24kgという充実した馬体で出走してきたダノンザキッド。ただ、パドックでのその姿を見た高見厩舎長は数字ほど重くは映らなかったと話す。

 「レースでは川田騎手も無理させること無く、競馬を教えるようにしながら乗ってくれたと思います」と高見厩舎長が話す通りに、3番手からレースを進めていき、最後の直線でゴーサインが出されると、メンバー中最速となる上がり33秒5の末脚を使って、後続との差を広げていく。これまで中央重賞で5勝をあげているジャスタウェイ産駒だが、単勝1番人気での勝利はダノンザキッドが最初。ファンの期待に見事応えたことも含め、スターホースとしての未来が開かれた勝利ともなった。

 次走は12月26日に行われるホープフルS(G1)への出走を予定。デビュー戦から続けて芝1800mを使われてきたが、次走は更に1ハロン延びてのレースとなる。

 「育成時はマイルぐらいが合っている印象も受けましたが、レースぶりからしても2000mならこなしてくれると思います。今回は10頭立てでしたが、次走は更に頭数も増えるでしょうし、まだ気性面でも成長して欲しいと思いますが、どんなレースを見せてくれるのか楽しみです」

 生産界からの期待に応えるかのように、サイアーランキングも年々上げているジャスタウェイ産駒だが、まだG1馬は誕生していない。となると、産駒初のG1馬は父もよく知るスタッフが育て上げた、ダノンザキッドがふさわしいのではと言う気がしてくる。