2020年09月24日 園田プリンセスC(GDJ)
優勝馬:ラジアントエンティ
プロフィール
- 生年月日
- 2018年04月15日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:6戦3勝
- 総収得賞金
- 11,700,000円
- 馬主
- 小林 祥晃
- 生産者
- 静内白井牧場 (静内)
- 調教師
- 角川 秀樹
- 騎手
- 吉村 智洋
『グランダム・ジャパン2020』2歳シーズンの開幕戦「園田プリンセスカップ(園田)」は、北海道からの遠征馬ラジアントエンティが5馬身差の快勝。好スタートからハナを奪うと、最後の直線では後続をどんどん引き離して余裕のゴール。デビュー6戦目にして、嬉しい初重賞勝利を飾った。
ラジアントエンティの生まれ故郷は、新ひだか町静内豊畑の静内白井牧場。1965(昭和40)年に法人化し、生産から育成、コンサイナーまで手がける総合牧場として経営されている。過去の生産馬には、2006年のフローラステークス(G2)や2008年の東海ステークス(G2)など重賞4勝を挙げたヤマトマリオン、2006年の青葉賞(G2)で2着したマイネルアラバンサなどがいる。生産馬の重賞勝利は、2017年の建依別賞(高知)を制したカッサイ以来のことだった。
「長く競走馬の生産をやっていますが、重賞を勝つような馬を作るのは簡単なことではないですね。ラジアントエンティは昨年のセプテンバーセールでDr.コパさん(小林祥晃氏)に買っていただいたのですが、せりの後でDr.コパさんが『とりあえず門別でデビューさせて勝たせるから』と言っていて、本当にデビューから2連勝したんですよ。角川厩舎を含め、大したものだと感心しました」と話すのは、静内白井牧場の代表・白井康博さん。
ラジアントエンティは、今季のホッカイドウ競馬開幕2週目のフレッシュチャレンジ競走で早々にデビュー。後方追走から直線突き抜けて4馬身差をつける衝撃デビューを飾ると、2戦目のウィナーズチャレンジ1では一転して早め先頭に立ち、のちの栄冠賞馬サイダイゲンカイの猛追を振り切って2連勝。初重賞の栄冠賞は牡馬勢に屈して6着に敗れ、函館と札幌に遠征した芝レースでも結果が出なかったが、ダートに戻って牝馬同士の戦いとなるグランダム・ジャパンの舞台では力の違いを見せつけた。「園田プリンセスカップの当日はセプテンバーセールが行われていて、北海道市場でレースを見ていました。生産者仲間といっしょに応援し、みんなに祝福してもらえて嬉しかったです」とレース当日のことを振り返る。
「ラジアントエンティの母ミヤビグローリーは、昔からお付き合いのあるオーナーに譲っていただいた馬なんです。ミヤビグローリー自身は競走馬としてデビューできませんでしたが、血統がしっかりしているので繁殖として期待していました」と白井さんが話すように、その母タフグレイスは2002年の中山金杯(G3)で2着したこともあるトニービン産駒。祖母のシスティーナは1995年の京都牝馬特別(G3)に優勝するなど重賞戦線で活躍したサクラユタカオー産駒。ミヤビグローリー自身の父もアグネスタキオンだから、活躍牝馬にトップサイアーを重ねてきた牝系ということになる。
「ラジアントエンティは幼少期から素直で手のかからない馬でした。栗毛できれいな馬体が印象的でしたね」と同馬が牧場で過ごした時期を振り返る。ラジアントエンティはスマートファルコン産駒の栗毛馬だが、1歳下、2歳下にはともにコパノリッキー産駒の栗毛牝馬が生まれている。「1歳も当歳も、ラジアントエンティと似た雰囲気がありますね。Dr.コパさんに落札していただく前の種付けですから、コパノリッキーを交配したのは偶然です(笑)」と笑う。1歳の牝馬は、今夏のサマーセールに上場して無事に落札。JRAデビューに向けて順調に育成されているそうだ。
「ラジアントエンティは、まだまだ伸びしろがたっぷりありそうなので今後が楽しみです。距離もマイルぐらいまではやれそうな感じなので、大きな舞台で活躍できる馬に成長していってほしいと願っています」とエールを送る白井さん。同厩舎にエーデルワイス賞(Jpn3)を制したソロユニットがいるが、僚馬と切磋琢磨しながらさらなる高みを目指してほしい。