重賞ウィナーレポート

2020年07月08日 ジャパンDダービー(中央交流) Jpn1

2020年07月08日 大井競馬場 曇 重 ダ 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダノンファラオ

プロフィール

生年月日
2017年05月05日 03歳
性別/毛色
牡/青鹿毛
戦績
国内:8戦3勝
総収得賞金
167,500,000円
American Pharoah(USA)
母 (母父)
クリスプ(USA)  by  El Corredor(USA)
馬主
(株) ダノックス
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
矢作 芳人
騎手
坂井 瑠星

 中央、地方でダート戦線を歩む3歳馬にとって、頂点となっているレースがジャパンダートダービー(Jpn1)。出走してきた13頭の中で、単勝1.1倍という圧倒的な人気を集めたのが、2着に5馬身差を付けた前走のユニコーンS(G3)まで、デビューからの3連勝を果たしていたカフェファラオだった。

 しかし、カフェファラオが勝負所の3コーナーでもたつく中、逃げたダイメイコリーダとのマッチレースに持ち込んだのがダノンファラオ。その馬名の通りに、カフェファラオと同じAmerican Pharoah産駒の伏兵が、ゴール前で力強く抜け出し、初重賞勝利をJpn1制覇という形で成し遂げてみせた。

 2018年のセレクトセール1歳セッションでは、1億9,440万円(税込)という高い評価を受けたダノンファラオは、その後、ノーザンファーム空港のC1厩舎で管理をされていく。

 「がっしりとした骨格にも証明されている好馬体をした馬でしたが、5月産まれということもあるのか、随所に幼さも見られており、心身共にまだまだ成長していくのではと思いました」と話すのはノーザンファーム空港C1厩舎の高見優也厩舎長。37年ぶり、12頭目となる米クラシック三冠馬となったAmerican Pharoahを父に持つダノンファラオであったが、血統の印象とは違い、その動きには軽さも見られており、「芝でも行けるのではと思いました」と高見厩舎長は話す。

 2歳の夏前には550㎏を超えていたという、充実した馬体で所属先となる矢作厩舎へと移動。デビュー2戦目にダート1600mの2歳未勝利戦を勝利。3歳1勝クラスにも勝利すると、初めての重賞挑戦となった兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)でも2着に入着する。

 「重賞でいいレースを見せてくれたことで、今後もダートで活躍ができそうだと思いました。ただ、鳳雛Sで結果を残せなかった(14着)だけに、今回は人気以上に走ってくれればと思っていました」

 いい意味で期待を裏切る好走となったが、その要因について高見厩舎長は、前走より距離が1ハロン伸びたこと、そして育成時から感じていた、長くいい脚を使える展開になったことも大きいのでは、と高見厩舎長は話す。

 「前でレースを進めてくれた坂井瑠星騎手の騎乗も、この馬の持ち味を引き出してくれたと思います。何よりも管理をしてくれた矢作厩舎の皆さんや、ノーザンファームしがらきスタッフにも感謝するだけです」

 ダノンファラオと同じ初年度産駒となる、Mavenも仏のボワ賞(G3)を優勝。American TheoremもアメリカンファロアS(G1)で2着となるなど、国内外で活躍を見せているAmerican Pharoah産駒。母クリスプも現役時はサンタアニタオークス(G1)を優勝するなど血統的な評価も高く、今後の活躍次第では種牡馬入りの話も出てきそうだ。

 「まだまだ成長してくれると思いますし、大きなタイトルも勝ってくれる馬だと思います。その結果が種牡馬となれば嬉しいです」と高見厩舎長。この秋は古馬との戦いも視野に入ってくるダノンファラオ。そこでも堂々たる立ち振る舞いができた時、種牡馬入りの話はますます盛り上がってくるに違いない。