重賞ウィナーレポート

2020年06月14日 エプソムC G3

2020年06月14日 東京競馬場 曇 不良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダイワキャグニー

プロフィール

生年月日
2014年02月25日 06歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:24戦8勝
総収得賞金
291,136,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
トリプレックス  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
大城 敬三
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
菊沢 隆徳
騎手
内田 博幸

 ハンデ戦、しかも前日からの雨で悪化した馬場と、いかにも荒れる要素が揃った今年のエプソムC(G3)。最後の直線、水しぶきと土の塊が飛び交う中を、力強く伸びてきたのは9番人気のダイワキャグニー。なんとこれが13回目の挑戦にして、初めての重賞制覇となったが、レース前、関係者には同馬のオーナーである、大城敬三氏の訃報が告げられていた。

 大城オーナーとこれまで何度も口取りを行ってきた、社台ファームの東礼治郎場長も、特別な思いでレースを見ていた。

 「直線では勝ってくれと祈りながら、そして、ゴール前では声を張り上げて応援していました。2015年のセレクトセールでオーナーに見初められ、高額でご落札いただいた時のことを、今でも思い出します」

 父にキングカメハメハ、母に中央4勝馬のトリプレックス(母父サンデーサイレンス)を持つダイワキャグニーは、この時のセレクトセールで1億1,340万円(税込)の評価を与えられている。祖母のトリプルワウは現役時に14勝をあげ、米のネクストムーヴH(G3)を優勝しており、この牝系からはダイワキャグニーの他にもコンスタントに活躍馬が誕生している。

 このエプソムC(G3)まで23戦7勝、それも全て東京競馬場での勝利と、まさに名うてのコース巧者。しかしながら得意とする東京コースでも、これまでは重賞の壁を超えられずにいた。

 「なかなか重賞に手が届かず、悔しい思いばかりをしてきました。それだけにこの勝利は、オーナーも天の一番高いところから喜んでくださっていると思います」

 夏は充電して、秋は毎日王冠(G2)からの始動を予定しているというダイワキャグニー。重賞ホルダーとなった今、更に大きなタイトルを、天国の大城オーナーに届けるのかもしれない。