重賞ウィナーレポート

2020年04月26日 留守杯日高賞(GDJ)

2020年04月26日 水沢競馬場 曇 稍重 ダ 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ボンボンショコラ

プロフィール

生年月日
2017年05月05日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:5戦2勝
総収得賞金
57,151,000円
ノーザンリバー
母 (母父)
ベネラ  by  フォーティナイナー(USA)
馬主
田頭 勇貴
生産者
武田牧場 (新冠)
調教師
小久保 智
騎手
山本 聡哉
  • ボンボンショコラの母ベネラと今年生まれた当歳馬(牝当歳、父キンシャサノキセキ)
    ボンボンショコラの母ベネラと今年生まれた当歳馬(牝当歳、父キンシャサノキセキ)
  • サマーセール上場時に撮影された1歳時のボンボンショコラ
    サマーセール上場時に撮影された1歳時のボンボンショコラ
  • 武田牧場の放牧地
    武田牧場の放牧地
  • 新冠町レ・コード館前に設置されているキタノオーの馬碑
    新冠町レ・コード館前に設置されているキタノオーの馬碑
  • キタノオーザの馬碑
    キタノオーザの馬碑
  • ハイセイコーの馬碑
    ハイセイコーの馬碑

 『グランダム・ジャパン2020』3歳シーズンの第5戦「留守杯日高賞(水沢)」は、浦和からの遠征馬ボンボンショコラが後続に影をも踏ませない逃げ切り勝ち。2着のレッドカードとは2馬身差だったが、3着馬には2秒7もの大差をつける圧勝劇。JRAの新馬戦を勝ち上がった真の実力を、全国の地方競馬ファンに披露した。

 ボンボンショコラの生産は、ハイセイコーの生まれ故郷として知られる新冠町の武田牧場。1929(昭和4)年創業とその歴史は古く、先代の時代には兄弟で菊花賞を制したキタノオー、キタノオーザなどを生産。また1989年の帝王賞に優勝したフエートノーザンや、1993年のNHK杯(G2)を制して日本ダービー(G1)にも駒を進めたマイシンザンなども同牧場の生産馬である。近年もロイヤルビクトリーが昨年の優駿スプリント(大井)で2着するなどの活躍を見せているが、生産馬の重賞勝利は1996年のスーパーダートダービー(大井)に優勝したサンライフテイオー以来となった。

 「右回りは初めてでしたが、しっかりとクリアしてくれましたね。父のノーザンリバーがさきたま杯(Jpn2)を連覇するなど浦和コースを得意としたので、ユングフラウ賞(浦和)や桜花賞(浦和)も楽しみにしていたのですが(ともに4着)、遠征した水沢で初めての重賞タイトルを獲ってくれて嬉しかったです」と生産者の武田洋一さんはレースを振り返り、「あの時2着だったレッドカードが、次走で北斗盃(門別)に勝ちましたもんね」とボンボンショコラの快走劇に感心する。

 ボンボンショコラの母ベネラも武田牧場の生産馬で、JRAのダート短距離戦で3勝を挙げたフォーティナイナー産駒。その11歳上の兄には2003年のJBCスプリント(G1)を制するなどダート重賞8勝を挙げ、種牡馬としても多数の活躍馬を送り出したサウスヴィグラスがいる。「ベネラは繁殖牝馬として、とても信頼しています。産駒は気の良いタイプが多く、競馬ではスタートが上手いのが特徴です。ボンボンショコラも、その良い面を受け継いでいるように感じています」と母馬を紹介。初仔のグッドヒューマー(牡6歳、美浦・高橋裕厩舎、父ローエングリン)はJRAで3勝、2番仔のトモノコテツ(牡5歳、栗東・浜田多実雄厩舎、父ブラックタイド)もJRAで2勝を挙げ、現役馬としてダート路線で活躍を見せている(2020年5月31日現在)。そしてベネラは今春、父キンシャサノキセキの牝馬を出産。兄姉の活躍を受け、今年生まれた当歳馬にも大きな期待が寄せられている。

 「ボンボンショコラはまだキャリアが浅いので、これからの成長を楽しみにしています。そして無事に長く競走生活を歩んで欲しいです」とエールを送る武田さん。昭和初期に創業し、数々の名馬が育ってきた牧場から、令和の時代に入って快速牝馬が現れた。日本競馬の歴史は、競走馬生産の歴史とともにある。