2020年04月05日 ル・プランタン賞(GDJ)
優勝馬:ミスカゴシマ
プロフィール
- 生年月日
- 2017年04月27日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/青鹿毛
- 戦績
- 国内:11戦9勝
- 総収得賞金
- 52,034,000円
- 父
- トーセンブライト
- 母 (母父)
- トーセンセレニティ by サンデーサイレンス(USA)
- 馬主
- 上村 裕希
- 生産者
- 村上 進治 (新冠)
- 調教師
- 平山 宏秀
- 騎手
- 石川 慎将
『グランダム・ジャパン2020』3歳シーズンの第3戦「ル・プランタン賞(佐賀)」は、1.2倍の圧倒的支持に応えてミスカゴシマが6馬身差の圧勝。同馬は次走、九州クラシック一冠目の「佐賀皐月賞」でも牡馬相手に逃げ切り勝ちをおさめ、デビュー以来、地元・佐賀では負けなしの10戦10勝という戦績を誇っている。
ミスカゴシマの生産者は、新冠町の村上進治さん。村上さんは育成牧場「クラックステーブル」を2011年に創業し、2016年から競走馬の生産にも着手。2017年からは種牡馬の繋養も始め、そのラインナップの中にはカフジテイクやグロリアスノアなどのJRA重賞馬を送り出したプリサイスエンドや、カキツバタロイヤル、ソルテ、ロールボヌールなど、かつて地方競馬を沸かせたスターホースたちもいる。
「ル・プランタン賞は後続に6馬身もの差をつけ、期待以上の走りでした。また他のレースでは並ばれても抜かせない精神的な強さも見せてくれており、牝馬なのに根性がありますね」と、村上さんはそのレースぶりに感心する。「ミスカゴシマは生後約3か月から夜間放牧し、その後、通年での昼夜放牧を始めました。冬季も含め、広い放牧地で長時間放牧していたことにより精神力が鍛えられたのかもしれませんね」と同馬が牧場で過ごした時期を振り返り、懐かしそうな表情を浮かべる。
また同牧場の山下慎也さんは、「当歳時から一切病気をせず、手のかからない馬でした。馬体は小柄でしたが、形がきれいでバランスの良さが目立っていました。とにかく利口な馬だったのを覚えています」と、生まれてから1歳秋のオータムセールに上場するまでの様子を教えてくれた。「私は佐賀出身で、子供の頃に祖父とよく佐賀競馬場に行っていました。縁のある競馬場で生産馬が活躍してくれて、とても嬉しいです。もし叶うなら、里帰りしたときに会いたいですね」とミスカゴシマとの再会に夢を膨らませる。
「すべての生産馬、育成馬に“丈夫さ”と“勝ち上がり率の向上”を意識して取り組んでおり、徐々に結果が出るようになってきました」と牧場の方針を話す村上さん。「ミスカゴシマもタフな馬に育ってくれているようですので、九州3歳クラシック戦線はもちろん、距離適性や精神的な強さを踏まえると『グランダム・ジャパン』古馬シーズンの舞台でも活躍してくれそうですね」と期待を膨らませ、「2歳時に挑戦したフェニックス賞(小倉・芝1200m)は結果が出ませんでしたが、牧場にいた頃から線がきれいで芝向きの馬だと感じていたので、またいつか芝のレースにも挑戦してほしいと思います」とエールを送る。
通年の昼夜放牧で鍛えられた精神力は、全国を股にかけた遠征での活躍がカギとなる『グランダム・ジャパン』シリーズの舞台でこそ活かされるはず。ミスカゴシマには、同シリーズ初となる佐賀所属馬のチャンピオンを目指してほしい。