重賞ウィナーレポート

2020年04月11日 NZトロフィー G2

2020年04月11日 中山競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ルフトシュトローム

プロフィール

生年月日
2017年01月31日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
87,846,000円
キンシャサノキセキ(AUS)
母 (母父)
ハワイアンウインド  by  キングカメハメハ
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
堀 宣行
騎手
石橋 脩
  • 育成馬たちも向けられたカメラに興味津々
    育成馬たちも向けられたカメラに興味津々
  • 調教のメイントラックとなっている屋内坂路コース
    調教のメイントラックとなっている屋内坂路コース

 3戦3勝での重賞制覇。その経歴だけを見れば、ルフトシュトロームは牧場時代から高い能力を示してきたのではと思ってしまう。だが、育成を手がけてきたノーザンファーム空港の足立稔厩舎長からは、全く別の答えが返ってきた。

 「体質もあったのでしょうが飼い葉を食べても身になり辛く、初期馴致を行ってからも、本格的な騎乗調教を始めるまでは時間を要しました」

 だが、馬体に逞しさが出始めたのを見計らって乗りだすようになると、その後は順調に調教メニューをこなしていった。

 「堀先生から『馬に合わせて進めて欲しい』と言われたことで、馬本意で調整することができました。その後は見た目だけでなく、動きもしっかりとしてきましたし、夏前にはノーザンファームしがらきへ移動しました」

 その後も、ルフトシュトロームの近況が気になっていた足立厩舎長は、ちょうど知り合いの厩舎長が管理をしていたこともあり、機会がある度に『状態はどんな感じ?』や『いつ頃、入厩ができそう?』などと聞いていたと話す。

 「入厩してからデビューまで時間はかかりましたが、それだけしがらきのスタッフや、堀厩舎の皆さんがしっかりと馬を作っていてくれたのだと思います。新馬戦のレースを見て意外とやれるのではと思いましたが、まさか重賞を勝つ馬になるとは思ってもみませんでした」

 メイクデビューでの勝ち方も評価されたのか、続く3歳1勝クラスでは単勝1倍台の人気に応えて見事に勝利。初重賞挑戦となったこのニュージーランドT(G2)でも2番人気の支持を集める。

 スタートのタイミングが合わず、後方からのレースを余儀なくされたものの、ここまで中山マイル戦で連勝を続けてきた適性の高さを見せるかのように、最後の直線では外に進路を向けると、そこから末脚を一気に伸ばしていく。中山の急坂もなんのその、先に抜け出していたシーズンズギフトを半馬身差交わして、デビューからの3連勝でニュージーランドT(G2)を優勝。これは96年のファビラスラフイン、12年のカレンブラックヒルに続く、史上3頭目の快挙となった。

 「直線では外を回す形となりましたが、あれで勝ちきった姿を見たときには、能力は本物だなと思いました。自分たちだけでなく、イヤリングのスタッフも気に掛けていた馬ですし、本当に嬉しい重賞制覇となりました」

 次走はNHKマイルC(G1)を予定。東京の芝マイルでは初めてのレースとなるが、過去3戦で上がり最速の脚を使ってきた走りは、長い直線でこそ存分に発揮されそうな気がする。