2020年03月07日 チューリップ賞 G2
優勝馬:マルターズディオサ
プロフィール
- 生年月日
- 2017年02月07日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/青鹿毛
- 戦績
- 国内:5戦3勝
- 総収得賞金
- 174,515,000円
- 父
- キズナ
- 母 (母父)
- トップオブドーラ(USA) by Grand Slam(USA)
- 馬主
- 藤田 在子
- 生産者
- 天羽 禮治 (門別)
- 調教師
- 手塚 貴久
- 騎手
- 田辺 裕信
桜花賞(G1)に直結するレースとして知られているチューリップ賞(G2)は、日高町の天羽禮治牧場が生産したマルターズディオサが最後の直線で3頭による追い比べをハナ差制して優勝。桜花賞(G1)に向けて大きな一歩を踏み出した。
同牧場は1987年に法人化。「信頼・信用」をモットーに「量より質にこだわる馬づくり」で天羽里美社長以下、4人のスタッフと、1人のパート従業員で繁殖牝馬20頭を管理。生産と、中期育成で強い馬づくりに励んでいる。
今回は、同馬の生産牧場である天羽禮治牧場の繁殖主任、和田貴文さんに話を伺った。レース前は「前走のG1競走で大きな差をつけられた馬が人気になっていましたが、ハイペースを積極的に追いかけ、2着争いを制したレース内容に見どころがありましたし、年が明けてからの成長も期待していましたので今回はその差をどのくらい詰められるかなという思いでした」と、多くのスタッフとともに牧場内母屋のテレビで観戦していたという。
レースは、昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)同様にレシステンシアの逃げで始まったが、一転してスローペース。前半は後方に位置していたマルターズディオサだったが、早めに進出しゴール前ではしぶとく伸びた。
「4コーナーを良い手ごたえで上がってきましたし、並んでからが強い馬なので、直線で馬体があったときは勝てるかもしれないと、ぞくぞくしました」。そして先頭ゴールイン。勝った瞬間はテレビの前でスタッフ一同で大いに盛り上がったそうだ。
「先代の時代には重賞経験(87年目黒記念(G2)、同ステイヤーズS(G3)。優勝馬マウントニゾン)はありましたが、現在の代表里美さんの時代になってからは中央の重賞をとった事がなかったので本当に嬉しかったです。レース後には続々とお祝いのお花を頂き、改めてたくさんの方が見てくださっていたのだと思いましたし、中央の重賞を勝った重みも感じました。本当に良く頑張ったなと声をかけてあげたいです」と愛馬をねぎらった。
本馬は、藤田オーナーのオーナーブリーディングホース。さかのぼればクリスエヴァートの母ミスカーミーにさかのぼる名血で近親には本邦変則2冠馬ディープスカイがいる血統だ。
「母トップオブドーラは種牡馬の良さを引き出してくれる繁殖牝馬で、ダートでも芝でも活躍馬を生んでくれています。藤田オーナーには本当に感謝しています。子煩悩で性格も穏やかな、とても良い母です」と話し、生まれたときのマルターズディオサは「大人しい性格で、バランスが良い馬体の仔でした。牧場で過ごしていた頃は病気もケガもなく、順調に成長していましたが、育成牧場に移動してからさらに評価が高くなった馬です」と振り返ってくれた。
1歳の半妹は父ロードカナロアで、今年はアジアエクスプレスの牡馬を産んでいる。「しっかりした馬体で元気いっぱいです」と目を細め、「これからもたくさんの方々に覚えて頂けるような活躍をして行けたら嬉しいです。これからも応援をどうぞよろしくお願いいたします」と自分を励ましている。