重賞ウィナーレポート

2020年01月18日 愛知杯 G3

2020年01月18日 小倉競馬場 小雨 重 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:デンコウアンジュ

プロフィール

生年月日
2013年04月08日 07歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:32戦4勝
総収得賞金
225,090,000円
メイショウサムソン
母 (母父)
デンコウラッキー  by  マリエンバード(IRE)
馬主
田中 康弘
生産者
磯野牧場 (浦河)
調教師
荒川 義之
騎手
柴田 善臣

 牝馬限定のハンデ戦「第57回愛知杯(G3)」が1月18日、開催日程の変更に伴い小倉競馬場で行われた。

 勝ったのは、浦河町の磯野牧場生産で9番人気デンコウアンジュ。レース前半は後方に位置していたが、最後の直線でインコースを強襲。2分1秒1の優勝タイムで通算成績を32戦4勝(重賞3勝)とした。磯野牧場にとっては昨年の福島牝馬S(G3)(優勝馬デンコウアンジュ)以来となる重賞勝利。父メイショウサムソンにとっても昨年の福島牝馬S(G3)以来の重賞勝利で通算7つめの重賞タイトルとなった。

 同馬を育成したのは、同じ浦河町の高昭牧場。生産と育成のほか、市場コンサイナーも手掛ける総合牧場で、これまで不敗のままオークス(G1)、秋華賞(G1)に勝ったカワカミプリンセスやオークス(G1)、秋華賞(G1)、エリザベス女王杯(G1)に勝ったメイショウマンボなどを送り出している牧場だ。今回は、デンコウアンジュの育成を手掛けた同牧場の上山泰憲さんに話を聞いた。

 上山さんは、開口一番「この馬には、いつも驚かされます」と笑顔で話し始めてくれた。自分たちが手掛けた馬だけに、レースに出走するたびに期待を込めて応援するそうだが、追い込み脚質ゆえに成績はなかなか安定しない。

 「勝つときは本当に強い馬。今回も柴田騎手が上手にリードしてくれたと思います。7歳になって重賞を勝ってくれるのだから、頭が下がります」。

 デンコウアンジュが上山さんの手元に来たのは、中期育成を終えた1歳秋だったそうだ。「少しやんちゃな面がありましたけど、キビキビとした動きでシャープな馬というのが第一印象です。当時から丈夫で健康な馬でしたが、まさか重賞を3つも勝ってくれる馬になるとは思わなかったです」という。中でも1番驚いたのは2歳時のアルテミスS(G3)だったという。

 「未勝利で終わるような馬ではないと思っていましたし、実際2戦目に京都競馬場で勝ち上がってくれたときはほっとしたのを覚えています。でも、そこから中1週で東京競馬場に輸送して重賞を勝ってくれるとは思わなかったです。重賞を使うということを聞いたときも驚いたくらいですから、勝ったことを知ったときはビックリです。そういう意味では荒川先生はじめ厩舎スタッフのおかげだと思っていますし、この馬に携わった1人として嬉しく思っています」と感謝の言葉を続けた。

 今後についてはオーナーや調教師が決めること、と前置きしながら「馬が走りたいと思ううちは走ってほしいと思いますが、繁殖牝馬としての役割もあると思います。自分たちの立場では出走してきたら応援しますし、もしこの馬の仔を手掛けるチャンスをいただいたら、偉大なる母を超えられるように精一杯頑張ります」と話してくれた。