重賞ウィナーレポート

2020年01月05日 中山金杯 G3

2020年01月05日 中山競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:トリオンフ

プロフィール

生年月日
2014年04月21日 06歳
性別/毛色
せん/黒鹿毛
戦績
国内:18戦7勝
総収得賞金
226,242,000円
タートルボウル(IRE)
母 (母父)
メジロトンキニーズ  by  ダンスインザダーク
馬主
(有) 桑田牧場
生産者
レイクヴィラファーム (洞爺湖)
調教師
須貝 尚介
騎手
M.デムーロ

 新年に開幕を告げる名物レース「中山金杯(G3)」が1月5日に中山競馬場で行われ、洞爺湖町のレイクヴィラファーム生産トリオンフが最後の直線で力強く抜け出して1分59秒5で優勝。通算成績を18戦7勝(重賞3勝)とした。レイクヴィラファーム生産馬のJRA重賞勝利は19年の日経新春杯(G2)(優勝馬グローリーヴェイズ)以来で4年連続通算6勝目。鞍上のM.デムーロ騎手は19年オークス(G1)(優勝馬ラヴズオンリーユー)以来となる重賞勝利で14年連続通算92勝目。父タートルボウルにとっては、19年の京王杯2歳S(G2)(優勝馬タイセイビジョン)以来の重賞勝利で通算4勝目となった。

 レースを中山競馬場で見守ったという同ファームの岩崎義久さんは、馬体重が発表されたときは素直に驚いたという。「(1年以上の休み明けだった)昨年11月のチャレンジカップ(G3)がプラス18kgで、今回はさらにプラス4kg。1度使われたことで絞れてくると思っていたのでびっくりしました」。

 しかし、そうした思いはパドックで払拭されることになる。「パドックに出てきたトリオンフは増えた馬体重のイメージとは別に、体が引き締まっていて、とても良い雰囲気に見えました」。力強くパドックを周回する愛馬は頼もしく、きっと良い競馬をしてくれると期待が膨らんだ瞬間でもあったという。

 「レース展開も、思い描いていたとおりでした」。好スタートから、逃げ馬をピタリとマークするような位置をキープし、最後の直線に向くと早めに先頭へ。そして追い上げる後続をアタマ差振り切ってゴールへと飛び込んだ。「550kgの大型馬ですから、58kgのハンデはこなしてくれると思っていましたが、ほかの馬との比較で瞬発力勝負になるのは嫌だなって思っていました」。だから、直線坂下で早めに後続の馬が迫ってきたときは思わず目をつぶったそうだが、勝ちパターンにもちこんだ愛馬は、そこからしぶとかった。

 「本当に嬉しかったです。だから、脚部不安を再発させてしまったと聞いたときは、本当にがっかりしました。でも、本当に悔しいのは厩舎関係者であり、オーナーですから、快く牧場に戻してくれたことを感謝します」。

 セン馬ゆえに種牡馬となることができないトリオンフは、すでに牧場に戻って1歳馬たちのリードホースという役割が与えられている。リードホースとは、いわば先生役。まだ精神的に幼く不安定な1歳馬と同じ放牧地で過ごすことで、精神的な支柱となることだ。

 「牧場では落ち着いた馬ですから、良い手本になってくれると思います。この馬にはたくさんの勇気をもらったので、大切にしたいです」と話している。