2019年11月24日 ジャパンC G1
優勝馬:スワーヴリチャード
プロフィール
- 生年月日
- 2014年03月10日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:17戦6勝
- 総収得賞金
- 891,324,000円
- 父
- ハーツクライ
- 母 (母父)
- ピラミマ(USA) by Unbridled's Song(USA)
- 馬主
- (株) NICKS
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 庄野 靖志
- 騎手
- O.マーフィー
スワーヴリチャードの騎乗育成を手がけてきた、ノーザンファーム空港の佐々木淳吏厩舎長は、昨年の大阪杯(G1)以来、約1年8か月ぶりのG1勝利に際して、「ここに向けて最高の管理をしてくださった庄野調教師や厩舎スタッフの皆さん。素晴らしい調整をしてくれたノーザンファームしがらきのスタッフ。そして、この馬のために色々なトライをしてくれた関係者の皆さんと、まさに『チームスワーヴリチャード』の勝利だったと思いますし、皆さんには感謝しかありません」と振り返る。レースはTVで見ていたという佐々木厩舎長であるが、パドック映像に映し出されたスワーヴリチャードの馬体にも、状態の良さがうかがえたという。
「当初から秋はジャパンC(G1)をピークに持ってくると聞いていましたが、馬体のラインなどは良く見えましたし、いい状態であるのは間違い無いと思っていました。重馬場でのレースについても、このメンバーでパワーはトップクラスであり、むしろスワーヴリチャードには合っているのではとさえ思えた程です」
大阪杯(G1)以降、勝ち鞍からは遠ざかっていたスワーヴリチャードではあるが、それでも昨年の安田記念(G1)とジャパンC(G1)、そして今年のドバイシーマクラシック(G1)に宝塚記念(G1)とG1 4競走で3着に入着と、能力の高さは証明し続けていた。
「勝利と言う結果を出すためにチームがまさに1つとなって、調教を変えたり、様々な馬具を試すなど、本当に色々なことに取り組んでいると聞いていました。それがいい方に噛み合ったのが、ジャパンC勝利と言う結果に繋がったと思います」
勝利に向けて、最後の一押しをしてくれたのが、鞍上を務めたオイシン・マーフィー騎手だった。道中は中団からレースを進めると、最後の直線では先に抜け出したカレンブーケドールを交わすべく、最内に進路を向けていく。
「馬場が回復していくにつれて、インコースの方が良くなっていたとは思いますが、それでもカレンブーケドールの外では無く、内の進路を瞬時に判断できたのは、さすがマーフィー騎手だと思います」
先に抜け出したダイワキャグニーを交わしていく、スワーヴリチャードとカレンブーケドール。まさに追いつ追われつの叩き合いとなったが、残り2ハロンを過ぎたあたりでスワーヴリチャードが先頭に躍り出ると、そのままパワーの違いを見せつけるかのようにゴール板まで押し切っていった。
レース後、ノーザンファーム代表の吉田勝己代表からは、「これで種牡馬としての価値が上がりましたね」とのコメントも聞かれていたが、このジャパンC(G1)勝利はスワーヴリチャードの持つスピードやスタミナに加え、パワーも証明するレースともなった。
「これで芝2000mと芝2400mでのG1馬となりましたが、敗れたとは言えども、芝1600mの安田記念(G1)でもいいレースを見せてくれましたし、種牡馬となってからも様々な適性を産駒に伝えてくれるに違いありません」
次走は有馬記念(G1)を予定。苦手とされてきた右回りであるが、佐々木厩舎長は、「最近のレースを見てもそれほど苦にしてはいなさそうですし、むしろ、今回のようなレースができるのならば、有馬記念(G1)も楽しみになってきます。まずはいい状態でレースに向かい、そして、無事に最高の結果が出ることを期待しています」と話す。この有馬記念(G1)でも最高の結果が出たとき、競走馬として、そして、種牡馬としてもスワーヴリチャードの価値は更に跳ね上がることになりそうだ。