重賞ウィナーレポート

2019年10月26日 スワンS G2

2019年10月26日 京都競馬場 晴 稍重 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダイアトニック

プロフィール

生年月日
2015年05月12日 04歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:11戦6勝
総収得賞金
460,434,000円
ロードカナロア
母 (母父)
トゥハーモニー  by  サンデーサイレンス(USA)
馬主
有限会社シルク
生産者
酒井牧場 (浦河)
調教師
安田 隆行
騎手
C.スミヨン

 マイルチャンピオンシップ(G1)を目指す馬たちによる「スワンS(G2)」が10月26日、京都競馬場で行われ、浦河町の酒井牧場生産で、セレクションセール取引馬ダイアトニックが最後の直線で豪快に追い込んで優勝。デビュー11戦目で重賞ウイナーの仲間入りを果たしている。

 短期免許で来日し、手綱を取ったC.スミヨン騎手のJRA重賞勝利は2014年ジャパンカップ(G1)(優勝馬エピファネイア)以来通算7勝目。管理した安田隆行調教師はジョッキー時代の1990年にナルシスノワールに騎乗してスワンS(G2)を勝っており、騎手、調教師でのダブル勝利となった。父ロードカナロアにとっては、今年9勝目、通算21勝目の重賞勝利となった。

 牧場のテレビで応援していたという酒井牧場の酒井一馬社長は「条件戦時代は比較的前の方で競馬が出来ていた馬ですが、さすが重賞になると前半のペースが早いのか思っていたよりも後ろからの競馬でした。最後は届くかなと思ったのですが、スローVTRで勝利を確信しました。本当に嬉しいです」と声を弾ませた。

 酒井牧場生産馬の重賞勝利は15年チューリップ賞(G3)(優勝馬ココロノアイ)以来のこと。酒井社長は「ココロノアイやビーナスライン、ホクトベガにマックスビューティと牝馬では勝たせてもらっていますが、牡馬は本当に久しぶり。頑張ってくれた馬に感謝です」。

 酒井牧場は昭和15年創業。生産頭数は一貫して10頭前後と少数精鋭を貫く牧場だが、1961年には日本ダービー(優勝馬ハクショウ)とオークス(チトセホープ)の両方を勝っている。オークスを勝ったチトセホープは、その後連闘でダービーへと駒を進め3着。いまも語り草になっている。

 「ダイアトニックは、5月生まれながらも目立つ存在でした。セール上場を決める前から、たくさんの方に見ていただきましたし、セール会場でも多くの方に声をかけていただきました。感謝です」

 2016年セレクションセールではノーザンファームによって3,240万円(税込)で落札。シルクレーシングの所属馬として2歳12月にデビューした。このとき、顔をあわせたのがのちにローズS(G2)など重賞2勝で秋華賞(G1)3着のカンタービレ。ダイアトニックは後方から33秒6の末脚でライバルをハナ差退けてデビュー戦を勝利で飾っている。

 「セールのあとは、すぐにノーザンファームへと移動し、空港牧場で育成いただきました。今回の勝利は、この馬に携わったすべての方々のおかげです。安田先生との出会いも含め、すべてに感謝したい」と話し「たくさんの会員の方に応援していただいている馬です。長い活躍を期待したい」と期待に胸を膨らませている。