馬産地見学ガイドツアーレポート[ツアー2日目]
ツアー2日目:早朝から出発の2日目。
早朝から夕方まで沢山の見学地を巡り、チャリティーオークションも行われました。
2010年10月2日
JRA日高育成牧場 BTC軽種馬育成調教センター
早朝にホテルを出発し、車中で朝食を済ませたツアー参加者を乗せたバスが目指したのは、JRA日高育成牧場。JRA日高育成牧場の赤尾総務課長にバスに同乗していただき、2002年のダービー馬タニノギムレットや2008年の変則2冠馬ディープスカイなど、多くの名馬が駆け抜けた多彩な育成施設を解説付きで案内していただきました。野生の鹿などもお出迎えする中、バスは途中の見学台で止まり、東洋一の競走馬育成施設であるBTC軽種馬育成調教センターの走路が見渡せる高台で記念撮影も行われました。
朝が早かったことや、バスのちょうどいい揺れ具合にうとうとしていた参加者も、キリッと身が引き締まる朝の外気に触れ、すっかり目が覚めた様子。この後は屋内坂路の2階から、デビューを目指す若駒や休養中の競走馬の調教も見せていただきました。
イーストスタッド
イーストスタッドでは、高松宮記念の勝馬オレハマッテルゼとフェブラリーSをレコード勝ちしたメイショウボーラーが放牧地の前で参加者を待ってくれていました。ともに短距離のG1レースを勝ったスピード馬。2頭とも来年に初年度産駒をデビューさせるとの説明もあり、誰もが競馬場で走る2世たちの姿に想像を膨らませていたようです。放牧地にはメイショウドトウ、メイショウオウドウ、タイキフォーチュンなどかつての活躍馬の姿があり、晴れ渡った空の下、参加者たちは、思い思いにのんびりと見学を楽しんでいました。
川越ファーム
2001年の桜花賞、秋華賞などG1レース3勝をあげたテイエムオーシャンの生産牧場である川越ファーム。生まれ故郷へと戻り、母となったテイエムオーシャンは現役時のはつらつさを残したまま、立派なお母さんとなった姿を見せてくれました。
今年、誕生したファンタスティックライトを父に持つ当歳馬も、離乳先の厩舎からひょっこりと顔を出して参加者を歓迎。隣の放牧地には、テイエムオーシャンの母親リヴァーガールもいるよと川越社長が説明をすると、放牧地の柵沿いで参加者の多くはカメラを向けていました。
日高スタリオンステーション
太平洋を見渡せる素晴らしいロケーションに施設を構える日高スタリオンステーション。この日は好天にも恵まれたこともあり、厩舎からやってきたヤエノムテキ、アグネスフライト、ノボジャックの毛艶もより一層映えました。見学を終えた後には、先日、亡くなったスーパークリークのお墓参りをして、一時代を築いた名馬の冥福を誰もが祈っていた。
ここでのサプライズはダービー馬アグネスフライトとの記念写真。ダービーオーナーの気分を味わったほか、参加者からのリクエストに応え、見学予定になかったダイタクバートラムが急遽、見学場所に姿を見せることになったこともサプライズでした。参加者もご満悦の表情をみせていました。
伏木田牧場
日高でも有数の歴史を誇る伏木田牧場。ここには不敗のまま2002年のエリザベス女王杯を勝ったファインモーションが繋養されています。本来ならば見学は不可。しかし、このツアーではそのファインモーションに会えるということで、移動のバスの車中からも期待感は高まっていたようでした。
バスの中から放牧地のファインモーションを見つけると、小さな歓声が沸き上がりました。昨日の懇親食事会にも参加した伏木田修さんのご厚意で、ニンジンを直接ファインモーションに食べさせてもらったり、またツーショットで撮影もさせてもらえるなど、ファンには忘れられない見学地となった様子でした。
ビッグレッドファーム
昼食場所となったビッグレッドファーム。以前は小学校だったという「KEIBA CLUB」には、地元食材を使ったカレーや豚汁、茹でたてのとうきびも用意されていました。
昼食時には牧場スタッフも同席して歓談、その後は種牡馬厩舎での見学。スタッフからそれぞれの馬について分かりやすい説明をしてもらった後、厩舎の前にアグネスデジタルとコンデュイットという、世界の競馬を沸かせた2頭の馬が姿を見せれくれました。最後はホッカイドウ競馬から日本の競馬を沸かせたコスモバルクが登場。みんなで放牧地に入って、口取り式のようにコスモバルクを囲んで記念撮影もさせていただきました。
ここでのサプライズは現役G1馬マイネルキッツとの出会い。同ファームで休養中の彼との出会いは参加者にとってもとても大きなサプライズとなったようでした。
優駿スタリオンステーション
昨日の懇親食事会で参加者から多くの質問を受けていた山崎主任に、展示場所に連れてきた繋養種牡馬の説明をしていただきました。山崎主任の計らいで、1995年のJRA年度代表馬マヤノトップガンとの記念撮影もさせてもらえることに。
感動もさめやらないままツアー参加者たちは先日亡くなったオグリキャップのお墓がつくられるメモリアルパークへと向かいます。代表者が馬頭観音に花を備えると、誰もが幾多の名勝負を振り返るかのように、じっと手を合わせ瞼を閉じていました。
ノースヒルズマネジメント
優駿スタリオンステーションからバスを走らせること約30分。ワインディングロードを走りながら、日本で一番美しいとも評されるノースヒルズマネジメントに向かいます。
ここではG1レース3勝牝馬ファレノプシスや2007年のオークス馬ローブデコルテといった活躍牝馬を見学。馬主さんが来場したときに馬を見る場所で愛らしい姿のローブデコルテの当歳馬も見学できた参加者たちは馬主気分を味わえたような満足げな表情をうかべていました。
錦岡牧場
錦岡牧場でツアー参加者を待っていてくれたのは、笑顔の優しい土井睦秋代表。代表の案内で繁殖厩舎へと向かい、現役を引退したばかりのジョリーダンスやヤマニンメルベイユの見学をさせてもらいました。
その後は昨シーズンに種牡馬を引退し、現在は功労馬となっているヤマニンゼファーの見学。土井代表が参加者にヤマニンゼファーと一緒の記念撮影を勧めたところ、ほとんどの参加者がこれを希望。中には馬ではなく土井代表との記念撮影を行う参加者の姿も見られました。
JBBA北海道市場
参加者にとってこのツアーでの注目イベントのひとつがJBBA北海道市場で行われるチャリティオークション。昨日の懇親食事会で配られた“せり名簿”掲載の出品物に加え、伏木田牧場や錦岡牧場など、見学先の牧場で提供していただいたグッズも加わり、オークション出品点数は26品にもなりました。
競走馬のせりが行われる本物の会場で、実際に鑑定人を行っている本物の鑑定人が壇上に立ちせりはスタート。当初は戸惑いもみられた参加者も、どうしても手に入れたい競馬グッズが出てくると思わず手を挙げてしまうようです。せりの臨場感を味わうためにとせり価格の1万倍で表示される電光掲示板には「億超え」の数字も続々と並ぶ白熱のせり合いが展開され、昨年を上回る売上を記録しました。
電光掲示板に表示された最高価格は優駿SS提供のキングヘイローの頭絡で、6億1,000万円(実際の価格は61,000円)でした。この他「億超え」(実際の価格で1万円以上)は17品を数えました。
26品全てが落札され、総落札額は41億円(実額41万円)を突破。落札代金は10月6日に門別競馬場で行われるホッカイドウ競馬協賛レース「2010馬産地見学ガイドツアー特別」への協賛金として使われるほか、残金は門別競馬場来場者への記念品などのかたちでその全額をホッカイドウ競馬に提供します。協賛レースの勝馬投票券と上記記念品はツアー参加者全員にももちろん後日贈られます。