第54回生産地における軽種馬の疾病に関するシンポジウムが開催される
7月16日、JRA日本中央競馬会が主催する、第54回生産地における軽種馬の疾病に関するシンポジウムが、新ひだか町静内吉野町にある静内エクリプスホテル2階エクリプスホールにおいて開催された。
このシンポジウムは毎年7月に馬産地で開かれる恒例事業。当日は全国各地の獣医師のほか、獣医医療や軽種馬関係者が出席した。
主催者を代表してJRA馬事担当理事の伊藤幹氏は「生産者のみなさまにおかれましては、日ごろよりさまざまな防疫対策にご尽力を賜りまして、まことにありがとうございます。とくに予防接種推進事業でございますとか、CEMの防疫対策、疾病等調査研究といった事業につきましては、馬産地全体の安定に欠かせない事業となっております。これからも引き続きご協力賜ればとおもいます。
昨年はここ北海道の十勝地方、それから熊本県におきまして、17年ぶりとなります馬インフルエンザの発生が確認されております。さらには22年ぶりとなります日本脳炎、そして馬伝染性子宮炎も確認されておりまして、いまは予断が許されない状況となっております。そんななかではございますけれども、本年9月には、わたしどもJRAの馬事公苑におきまして、アジア大会の馬術競技が開催される予定となっております。競走馬、そして競技馬の国際間移動がますます盛んとなるなか、万が一、疾病が侵入、発生いたしますと、すみやかな初動対応、そして情報共有が重要となってまいります。生産者のみなさまにおかれましても、産業全体の安全確保のために、さらに緊密な連携と協力を賜ればとおもっております。
本日のシンポジウムでございますけれども、ロドコッカス・エクイ感染症に関する最新の知見をテーマといたしまして、北里大学名誉教授の髙井伸二先生に特別講演を賜ります。さらに、基調講演といたしまして、東京農工大学の鈴木先生をはじめ、各分野の最新の報告をいただくということになっております。また、個々の一般講演では、さまざまな分野から7題の発表をいただく予定となっております。報告されるデータや知見が生産地におけます疾病の予防や生産のさらなる発展の一助となることを期待しております。本日がみなさまにとりまして、有意義な一日となりますことを祈念いたします」とあいさつした。
本年のシンポジウムは「ロドコッカス・エクイ感染症に関する最新知見」が演題。特別講演として北里大学名誉教授の髙井伸二氏による「ロドコッカス・エクイ感染症の理解を深める-病原体、臨床診断、感染免疫、分子疫学の視点から-」が行われた。
髙井伸二氏は1978年に北海道大学獣医学部卒業。1982年に北海道大学大学院獣医学研究科修士課程修了し、北里大学獣医畜産学部家畜衛生学教室助手を務め、2005年に同学部教授、2006年に獣医学部教授、2012年に獣医学部長となり、2017年からは副学長、2021年4月からは名誉教授として活躍している。
近年は特定非営利活動法人獣医系大学間獣医学教育支援機構理事長、一般社団法人日本私立獣医科大学協会会長、日本獣医公衆衛生学会理事長として、教育面、学術面で大きく貢献。2025年9月にはロドコッカス・エクイ感染症の制御に関する研究で公益社団法人日本獣医学会の越智賞を受賞している。
特別講演のなかで髙井伸二氏は、軽種馬生産地の臨床獣医師らとともに歩んだこれまでの研究の歴史を振り返りながら、ロドコッカス・エクイ感染症の病原体、臨床診断治療学、感染免疫学、分子疫学の視点から、仔馬のロドコッカス・エクイ感染症について言及した。















