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育成調教技術者養成研修第43期生修了式が行われる

  • 2026年04月20日
  • 修了証書を手に笑顔を見せる第43期生23人
    修了証書を手に笑顔を見せる第43期生23人
  • 家族や就職先の関係者の前で行われた実技査閲
    家族や就職先の関係者の前で行われた実技査閲
  • 優秀な成績を収めた研修生表彰受賞者
    優秀な成績を収めた研修生表彰受賞者

 4月17日、浦河町西舎にあるうらかわ優駿ビレッジAERUにおいて、公益財団法人軽種馬育成調教センターによる育成調教技術者養成研修第43期生修了式が行われた。

 一年間の厳しい研修を終えた第43期生は、青森県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、福井県、大阪府、岡山県、宮崎県出身の19歳から26歳までの23人。23人は昨年4月の開講から育成調教技術者になるため、367時限の騎乗研修、51時限の実技研修、37時限の学科研修、12日間の牧場実習とインターンシップ、JRA日本中央競馬会の日高育成牧場での馴致実習や育成馬騎乗実習、(株)エクワインレーシング、(有)下河辺牧場、社台ファーム、ダーレー・ジャパン・ファーム、パッショーネ、(有)ビッグレッドファーム泊津、フジワラファーム、ノーザンファーム、(株)レイクヴィラファーム、公益社団法人日本軽種馬協会、日高軽種馬農業協同組合、札幌競馬場、函館競馬場、門別競馬場といった軽種馬関連施設等見学、馬装コンテスト、宮下瞳騎手講演会、戸本一真氏講演会、藤沢和雄氏座談会、フィジカルトレーニング、ピラティストレーニング、小田卓朗氏研修会・スケート実習、椿下早絵氏特別講義、イーストスタッド佐古田氏講話、JRA日高育成牧場育成馬展示会参加などを通して基礎的な技術や知識を習得した。

 修了式前には育成調教技術者研修施設にある800mと200mの調教馬場において、実技査閲を実施。第43期生の家族や就職先の関係者、JRA日高育成牧場場長の吉田年伸氏と副場長の佐藤和夫氏といった来賓の前で、人馬一体となった騎乗技術をお披露目した。

 修了式では公益財団法人軽種馬育成調教センター理事長の柏田秀治氏が第43期生に修了証書を授与。引き続き、一年間の学科試験において成績優秀者に贈る学科最優秀賞、教官の指示通りの調教騎乗が行え、優秀な騎乗技術を得た者に贈る騎乗技術最優秀賞、一年間欠席することなく研修に取り組み修了を果たした者に贈る皆勤賞、研修規則を遵守し他の者の模範となる研修を送った者に贈る場長賞、厩舎作業賞、一年間を通して厩舎作業、学科、騎乗、研修規則遵守の総合評価においてもっとも優秀な者に贈る理事長賞の受賞者を表彰した。

 柏田秀治氏は「理事長をしております柏田でございます。ご来賓ということでJRAの日高育成牧場から吉田年伸場長と佐藤和夫副場長にご臨席いただいております。お忙しいなか、ほんとうにありがとうございます。それでは第43期生の修了にあたりまして、ひとことごあいさつ申し上げます。みなさんこの1年間厳しい研修に耐えてこられたということで、たいへんお疲れさまでした。わたし自身が3月に理事長に就任したということで、実際にみなさんの1年間の苦労をつぶさに持ってきたわけではりませんが、これから育成牧場に就職されるということで、新たな旅路のスタートに立っているというみなさんに対して、心からエールを送りたいという気持ちは人一倍あります。
 若干パーソナルな話もさせていただきたいとおもうんですけど、10歳ぐらいのころから、競馬好きで興味を持ってきまして、その競馬好きが、たまたま縁があってJRAに、大体40年くらい前に就職したという経緯があります。JRAに入ってからは、本部であるとか、競馬場であるとか、トレーニング・センターと、いろいろと回ったのですけども、そのなかで約20年くらい前に、海外勤務という機会をいただきまして、それ以来、持っていることがありまして、世界のなかでの日本の競馬、世界のなかでの日本の競馬の立ち位置というのを考えるようになりました。強い馬づくりというスローガンに関しては、唱えられてからだいぶ経つかなとおもいますけれども、やっぱりぼくらも1981年のジャパンCの創設というのが、大きな転換点になっているのかなとおもいます。
 ご承知の通り、創設当初というのは、日本馬が外国馬にまったく歯が立たない状況だったというところがありましたが、第4回でカツラギエースが勝って、その次もシンボリルドルフが勝って、けっこういけるなという感じでした。それ以降、日本馬が外国馬に対して挑んでいってもだいぶいい勝負ができると。どんどん日本馬が強くなって、いまの状況が続いているのですけれども、日本の歩みというのが、ジャパンCで、要は国内で上位争いをするところで終わっていたら、これ、井戸のなかの蛙というんですかね、終わっていた。そこからすごかったのは、日本馬がどんどん海外のレースに挑戦し続けて、いまもしているというのが、ジャパンCだけで終わらなかったことが、すごいところかなとおもっています。
 その後の転換点は1998年のシーキングザパールとタイキシャトルがフランスでG1を勝った。ともに外国産馬ではあるんですけど、日本の調教馬が、フランスのG1で勝った。このときの衝撃は、いまでも覚えています。海外の挑戦をどんどん続けていって、また驚いたのが2011年、東日本大震災の年のドバイワールドC(G1)にヴィクトワールピサが勝った。このときの驚きもちょっと半端じゃなかったなと、ぼくの記憶のなかでおもっています。そういう海外での活躍がどんどん目立つようになってきて、去年に至ってはダートの競馬最高峰、BCクラシック(G1)にくるところまできたな、というところで、あとは凱旋門賞制覇もあと一歩というところまできているのかなとおもいます。
 日本の競馬、すごいなというところなんですけれども、競馬だけの話ではなくて、正直な話、世界的なレベルで戦えないスポーツとか競技に関しては、いずれファンの関心が薄れてしまうんじゃないか。世界レベルで戦ってこそ、みなさんがついてきてくれる。そういう意味では、これまでの日本競馬の国際化の歩みというのは、ひじょうに重要なことだったのではないかとおもっています。
 これは僕の個人的な考えで、それぞれの国、日本でもフランスでもイギリスでもアメリカでもいいんですけども、それぞれの国にはそれぞれの競馬がありまして、それぞれの国の文化と深く関わっているとおもっています。よく競馬先進国とか競馬後進国という言葉が使われることがあるんですけども、どの国の競馬も素晴らしい。それぞれの良さがあるというのが僕の考え方です。本来いろんな国の競馬を比較すること自体はあまり意味がないとはおもっているのですが、日本の競馬を改めて見直してみると、日本にはサラブレッドの生産に始まって競走馬のすべてのステージが用意されているといった意味で考えると、日本の競馬というのはひじょうにエンターテインメント性の強いスポーツであると考えています。
 また、ご承知のとおり、馬券の売り上げということでいえば日本は世界一です。なぜそれが大事かというと、馬券の売り上げが賞金の元になるわけですけども、馬主さんが賞金を受け取って、そこからまた繁殖馬を買ったりとかせりで馬を買ったりとか、ひじょうに日本の競馬産業は、素晴らしい循環ができあがっているということです。
 さらにいうと日本の競馬を支えているのは、世界に類を見ない素晴らしい競馬ファンの存在だとおもっています。毎週毎週馬券を買ってくださるお客様がいるということで、日本の競馬が存続していけるのだということを忘れないでいただきたいなとおもいます。
 最後になりますが、みなさんにお願いしたいのは、つねに世界のなかでの日本の競馬が、いまどういう立ち位置なのか、ということをつねに意識していただきたいということと、エンターテインメント性の高い日本の競馬の良さ、日本の競馬の素晴らしいというところを、じゅうぶん認識していただきたいと、それと素晴らしい日本の競馬ファンの存在を、つねに肝に銘じて、日ごろの業務に励んでいただきたいなとおもっております。本日はみなさん、ほんとうにおめでとうございます」と式辞を述べた。

 最後は研修生を代表して小川慎之介氏が謝辞。「肌を刺すような縛れる冬の空気が和らぎ、だんだんと温かい春の空気へ移り変わるのを感じられるようになってきました。わたしたちBTC研修第43期生23名は、1年間の研修を無事に修了する運びとなりました。
 この1年間はさまざまなことを経験しました。そして何度も失敗しました。そんなとき、何度でもわたしたちを正しい方向へ導いてくださった教官方には感謝の気持ちでいっぱいです。
 また、ここまでわたしたちが充実した研修を送ることができたのは、教官、BTC職員の方々、JRA日高育成牧場の職員の方々など、さまざまな方々の支えがあってこそでした。ほんとうにありがとうございました。わたしたちは今日で初めてスタートラインに立ちました。これから先、それぞれの目標に向かって進み、さまざまな困難に直面するとおもいます。しかし、この1年間で積み上げた経験を胸に、臆することなく進んでいくことを誓います。
 最後になりましたが、本日ご連席いただいた方々へお礼を申し上げますとともに、BTC研修第43期生全員の今後の活躍を願い、お礼の言葉とさせていただきます」と頭を下げた。

 第43期生23人は北海道や本州の育成牧場への就職がほぼ決まっているという。