北海道日高装蹄師会が第32回装蹄競技大会開催
3月23日、浦河町西舎にあるJRA日本中央競馬会日高育成総合施設軽種馬装蹄所において、第32回装蹄競技大会が行われた。
この装蹄競技大会は、日高や胆振の認定装蹄師で構成する北海道日高装蹄師会(会長:門別尚省氏、会員88人)が主催し、公益社団法人日本装削蹄協会、北海道庁、JRA日本中央競馬会日高育成牧場、浦河町、公益財団法人軽種馬育成調教センター、公益社団法人日本軽種馬協会静内種馬場、日高軽種馬農業協同組合、日本中央競馬装蹄師会、滋賀県装蹄師会、西日本合同装蹄師、南関東競走馬装蹄師会、岩手競馬装蹄師会、クレイン装蹄師会、北海道牛削蹄師会が後援、(株)タイワ、(有)ファイ健ホース、(有)今井製作所、(有)エフ・エム・オーが協賛。会員の装削蹄技術の向上と連帯強化を目的としたもので、毎年3月に開催されている。
今年はこれまででもっとも多い17人が出場。10月に栃木県宇都宮市で開催を予定している全国装蹄競技大会の予選を兼ねており、上位5人に与えられる全国装蹄競技大会の出場権をかけて腕を競った。
競技は、所要時間25分で、3分6鉄桿を用い、前肢または後肢いずれかの左右を作製する単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ)、所要時間25分で判断用馬1頭につき与えられた判断用紙に前肢・後肢の肢勢、蹄形、歩様、疾病損徴、多削部位、装蹄の方針などを記入提出する装蹄判断、規定時間60分以内に指定された実馬の前肢1蹄に合わせた07タイプ蹄鉄1個を単独で造鉄し、その蹄鉄を用いた装蹄と北海道日高装蹄師会会長が指定する課題蹄鉄1個の造鉄を完了する装蹄の3種目で実施。単独造鉄は8項目の細目に区分し200点満点、装蹄判断は100点満点、装蹄は、装蹄用蹄鉄、削蹄、仕上げの細目に区分し、各90点と、課題蹄鉄の100点の370点満点で採点し、前日予選で行われた単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ)の上位12人が本選に進み、本選出場選手12人の単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ)の上位8人が、最後の競技の装蹄に臨んだ。
3つの競技については、JRA日高育成牧場専門役の能登拓巳氏が競技審査長、北海道日高装蹄師会副会長の大東正史氏と森野健太氏が競技審査委員を務め、全国装蹄競技大会競技規定に準じて審査。出場選手は日ごろの業務で身につけた装削蹄技術や知識、練習の成果を余すところなく発揮し、真剣な表情で課題と向き合った。
厳正な審査の結果、滋賀県のノーザンファームしがらきに勤務する川井伸太郎さんが3年連続3回目の総合優勝。部門賞は単独造鉄競技が川井伸太郎さん、装蹄判断競技が浦河町の茂貴紀さん、装蹄競技が川井伸太郎さんだった。
褒賞授与式では総合優勝の川井伸太郎さんに対して、競技大会会長を務めた門別尚省氏が表彰状と記念品、優勝カップを贈呈。公益社団法人日本装削蹄協会、北海道庁、JRA日高育成牧場、浦河町、公益財団法人軽種馬育成調教センター、公益社団法人日本軽種馬協会静内種馬場、北海道牛削蹄師会などからも賞状や記念品が贈られた。
来賓を代表して公益社団法人日本装削蹄協会会長の井上眞氏は「みなさま、ほんとうにおつかれさまでした。この大会の特色ですけれども、前日の単独造鉄競技で人が絞られ、そして当日の単独造鉄競技で人が絞られ、なかなか厳しい大会だったとおもいます。それでもですね、それに勝ち残ってやってこられた方は、ほんとうにご苦労さまでした。
また、惜しくも次の段階に行けなかったみなさまはですね、友人でもライバルでもあるほかの方の演技を見ながらですね、いろんなおもいを感じたこととおもいます。そのおもいを来年の大会へ向けて精進されてください。そして、優勝された川井伸太郎さまを含め、これから6か月後、全国大会がございますが、自分の能力を後悔のないようにいかんなく発揮できるように、すばらしい結果が出るように、わたしどもも望んでおります」。
また、残念ながら、ご自身の持っている技術、技量をしっかりと発揮することができなかった選手のみなさんは、今回の経験をぜひ糧にしていただいて、次、またこの場を目指してもらいたいというふうにおもいます。いずれにせよ、日常の、日頃の努力、練習の成果以上のものは出せないわけでございますから、引き続き、みなさん、日ごろの業務、そして鍛錬に励んでいただきたいというふうにおもいます。
ここ日高地方では、生まれたばかりの子馬から、繁殖馬、競走馬、ひじょうに広い範囲の馬たちの装蹄が求められるということで、幅広い知識や経験が必要となります。みなさま方におかれましては、これからも競馬の健全な発展というところのために、アンテナを高く張っていただいて、装削蹄に関わる技術、知識をさらに習得していただいて、適切なフットケアというものに努めていただきたいというふうにおもいます。そして、優勝された川井伸太郎さんほか、全国大会出場のみなさまにおかれましては、北海道、この日高の代表ということで、なんとか優勝旗を北海道に持って帰っていただくよう、頑張っていただきたいというふうにおもいます」と祝辞を述べた。
最後は門別尚省氏が謝辞。「本日、第32回装蹄競技大会を無事に終えることができました。これもひとえに、 JRA日高育成牧場様、 BTC様、ご後援、ご協賛をいただきました関係各位のご支援のおかげだとおもっております。心より感謝申し上げます。
さて、今回は過去最多の17名がエントリーされ、前日予選を開催することになりましたが、とても熱気にあふれた2日間だったと感じております。全国大会に出場される選手には、より技術の研鑽に励んでいただき、全国大会では満足のいく結果を残していただきたいとおもいます。
また、予選を通過できなかった選手には、向上心、探求心を忘れず、諦めることなく、来年に向けてしっかりと練習を積んでいただきたいとおもいます。来年以降も多くの方が参加されることを期待しています。会員のみなさまにおかれましては、 2日間にわたりご協力をいただき、まことにありがとうございました。
競技大会は当会にとって最大のイベントであり、会員の技術向上に欠かせない重要な大会だとおもっております。われわれも、より良い大会運営ができるよう、協議してまいりますので、今後ともみなさまのご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。本日はまことにありがとうございました」と結んだ。
総合優勝の川井伸太郎さんは「前回よりチャレンジしたぶん、結果としては若干悪かったとおもいますが、優勝できてホッとしています。チャレンジしたのは全国大会で勝つためなので、この経験を全国大会に生かしていきたいです。もう少しレベルを上げていければ優勝できるという手ごたえはありますし、昨日の前夜祭から会長含めみなさまから期待のお言葉をいただいたので、なんとかという気持ちがあります。ただ、メンタル面も影響する競技なので、平常心で気負わずにいつも通りやっていきたいです」と話した。
結果は下記の通り(敬称略)。
総合優勝:川井伸太郎(滋賀県)482.2点
総合第2位:岡本昂昌(浦河町)447.0点
総合第3位:黒田優輝(千歳市)432.9点
総合第4位:鳶口隼弥(苫小牧市)428.4点
総合第5位:元井悠貴(千歳市)422.3点
部門賞
単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ):川井伸太郎(滋賀県)142.0点
装蹄判断:茂貴紀(浦河町)78.0点
装蹄:川井伸太郎(滋賀県)263.7点















