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優駿スタリオンステーションで、種牡馬展示会が開催される

  • 2026年02月12日
  • マッドクール
    マッドクール
  • 池添学調教師
    池添学調教師
  • タスティエーラ
    タスティエーラ
  • ジオグリフ
    ジオグリフ
  • ドンフランキー
    ドンフランキー

 2月10日、新冠町の優駿スタリオンステーションで種牡馬展示会が開催された。

 この日は新種牡馬の4頭を含む、28頭の繋養種牡馬の展示が行われる中、最初に厩舎から姿を見せたのは新種牡馬のマッドクール。2024年の高松宮記念(G1)を制するなど、近年の日本競馬を代表するトップスプリンターとして名を馳せた。

 展示の際には現役時にマッドクールの管理を行っていた池添学調教師が挨拶に立った。

 「マットクールはアイルランド生産馬であり、当初は日本競馬への芝適性があるのかなといった印象もありました。ただ、デビュー前の調教を坂路で行った時に、馬なりで圧巻の動きをしており、その時に確実に上のクラスまで行くだろうなと感じていました。性格も大人しく、しかも従順で、本当に手がかかった記憶がないぐらい扱いやすかったです。父がダークエンジェルということで、現在の日本の競馬の主流血統を持つ繁殖牝馬にも配合しやすいと思います。マッドクールの産駒がデビューした暁には、自分の厩舎からも活躍馬を送り出したいと思っていますので、どうかよろしくお願いいたします」(池添学調教師)

 続いて登場したのも新種牡馬のタスティエーラ。現役には2023年の日本ダービー(G1)を制しただけでなく、2025年には香港Qエリザベス二世C(G1)も勝利するなど、長きに渡って芝の重賞レースで活躍を続けた。

 この日は現役時に管理をしていた堀宣行調教師が来場予定だったが、本州の大雪で競馬が順延した影響もあり、(株)優駿のスタッフが堀宣行調教師からの手紙を代読した。

 「タスティエーラは日本の生産レベルを大いに引き上げた、クラフティワイフに繋がる母系となります。生産界に脈々と枝葉を広げている中にあっても、日本ダービー(G1)制覇を成し遂げた一族初のクラシックホースとなりました。父のサトノクラウンは気持ちが強すぎる部分がありましたが、母系とマッチし、穏やかで人とのコミュニケーションがスムーズにつき、理想的な性格の持ち主でありました。それが学習力の高さにつながり、経験を積むごとにまっすぐにステップアップしたのが印象に残ります。体質としても健康的であり、心身のバランスを崩すことがありませんでした。日本ダービー(G1)ウィナーだけに、後世の日本ダービー馬の輩出に寄与できる器かと思います」

 堀宣行調教師は手紙の中で、4歳からのローテーションについて、「皐月賞(G1)と菊花賞(G1)で2着となったように、総合力に長けた個性がありながらも、種牡馬としての価値を高めたいと思い、 4歳以降は世界的に指針となる 2,000mを意識してレース選択をいたしました。その結果が2024年の天皇賞(秋)(G1)での2着であり、そして2025年の香港Qエリザベス二世C(G1)においては優勝を果たしております。現在の日本で主流となっている、繁殖牝馬との配合がしやすいのも魅力です。心より優秀な産駒の誕生を願っております」と手紙の中で触れていた。

 新種牡馬3頭目の展示は、近年の最強世代とも言われる2019年世代の皐月賞馬であり、ドレフォン産駒初のG1ウィナーとなったジオグリフ。種牡馬解説ではライバルだった、イクイノックスやドウデュースとの対決についても触れられていた。

 そのイクイノックスとドウデュース先に種牡馬入りし、産駒デビュー前のせりでも産駒が高額で取引されるほどに評価を高めている。種牡馬としては遅いスタートとなったジオグリフであるが、産駒が直接対決する日が楽しみになってくる。

 新種牡馬最後の展示となったのが、現役時は時に600kgを超える馬体でレースに出走し、ダート短距離重賞で3勝をあげたドンフランキーとなった。

 挨拶に立ったのは現役時のオーナーだった早野誠氏。あいさつの後に、アイドルのCUTIE STREETの代表曲である、「かわいいだけじゃだめですか?」から連想したと思われる、「大きいだけじゃダメですか?」との言葉で会場内の空気をやわらげた。

 その後は、「見ていただいてもお分かりのように、ドンフランキーは幅のある馬でございます。重賞を勝ったときは600kgを超える馬体で競馬をしていましたが、大谷翔平選手も恵まれた身体がありながら、スピードがあってパワーも備えていることが、アスリートとしてナンバーワンになるための条件じゃないかなと思っております。ドンフランキーも芝でデビューしているように、ダートだけでなく、芝適性も持ち合わせた二刀流の種牡馬になりうるはずです」と大谷選手の活躍と種牡馬としてのドンフランキーの未来を重ねあわせていた。

 新種牡馬の後には今年、初年度産駒が誕生するセリフォス。そして、初年度が1歳となったジュンライトボルト、オナーコード、ウエストオーバー。また、初年度産駒がデビューを迎えるインティ、アルクトス、チュウワウィザードと、今後の優駿スタリオンステーションを背負って立つ種牡馬が展示されていく。

 その後はリーディングサイアーランキングの上位となっているシルバーステートやミッキーアイル。また、昨年のホープフルS(G1)の勝馬となったロブチェンの父であるワールドプレミアと、話題性溢れる種牡馬が展示される。

 展示の後半ブロックでは、種牡馬としての実績は勿論のこと、昨シーズンに多くの繁殖牝馬を集めた人気種牡馬が展示されていく。特に後半の3頭は、昨年の地方サイアーランキングの首位となったホッコータルマエ。今年、産駒のイグナイターが種牡馬入りし、更に父系を伸ばしていくエスポワールシチー。そして大トリには今年で23歳となったヘニーヒューズが展示された。

 (株)優駿スタッフからの冒頭の挨拶にもあったように、昨年、優駿スタリオンステーション繋養種牡馬は、全30頭でスタリオンの新記録となる1,874頭の繁殖牝馬に配合を行った。これは繋養種牡馬の産駒実績もさることながら、バラエティに富んだラインナップが生産者からの人気を集めている証とも言える。

 今年の展示会では、普段は馬運車の駐車場となっている広大な敷地に、来場者の車が止め切れず、隣の優駿記念館の駐車場や、以前に展示が行われていた、高台にある厩舎の近くにも車が止められていた。本格的な種付シーズン前にしたこの人気ぶりからしても、今シーズンは昨年の記録を超える総配合頭数が期待できそうだ。