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三石軽種馬生産振興会が講習会を開催する

  • 2025年12月16日
  • 三石軽種馬生産振興会主催の講習会
    三石軽種馬生産振興会主催の講習会
  • 講師を務めた丹羽秀和氏
    講師を務めた丹羽秀和氏
  • 講師を務めた根城健太氏
    講師を務めた根城健太氏

 12月15日夜、三石軽種馬生産振興会(前田宗将会長)は、新ひだか町三石本桐にある本桐生活館において、講習会を開催した。

 講習会には会長の前田宗将氏をはじめとした振興会会員のほか、日高管内の生産者や牧場従業員など約90人が出席。講師にはJRA日本中央競馬会日高育成牧場生産育成研究室室長の丹羽秀和氏とMK Ranch副代表でTeam Unity代表の根城健太氏を招聘した。

 講習会の開催にあたり主催者を代表して三石軽種馬生産振興会会長の前田宗将氏は「本日は予想を上回る人がきていただきまして、まことにありがとうございます。講習会を企画し、JRAの丹羽秀和先生、三石で乗馬クラブをやっているMK Ranchの根城健太さんに講師を依頼したところ、快く引き受けてくださりありがとうございます。本日は年明け間もなく各牧場で生産、当歳もどんどん生まれてくるとおもいますので、当歳の感染症について、出産前に改めて知識を入れるということで企画しました。また、根城健太さんに関しては展示と駐立という、お客さん用の写真を撮る、せりのときにどうやって立たせるとか、展示するとかということの参考にしていただきたく企画しました。最後まで聞いていただいて今後の参考にしていただきたくおもいます。よろしくお願いいたします」とあいさつした。

 「当歳馬の感染症(対策と最新情報)」を演題に講演した丹羽秀和氏は、1999年に鹿児島大学農学部獣医学科を卒業。2003年に東京大学農学生命科学研究科博士課程を修了しJRAに入会した。2007年にはアメリカのCenters for Disease Control and Prevention(CDC)に海外研修。2025年に日高育成牧場生産育成研究室に異動してきた。JRA入会後は22年間、馬の細菌感染症の研究に従事。山口大学連合大学院客員教授としての顔も持つという。

 講演で丹羽秀和氏は、新生子馬の敗血症(子馬病)、ロドコッカス・エクイ感染症、馬ロタウイルス感染症、ローソニア感染症、サルモネラ症について、発症時期、症状、診断と治療、予防と対策を説明。各感染症のキーワードを挙げ、日々の体温測定や観察による早期発見の重要性を指摘した。

 また、「展示と駐立の考え方~業務効率を上げる、市場価値を最大化させる~」を演題に講演した根城健太氏は、1998年に東海大学体育学部社会体育学科卒業。日高管内中学校の体育教師、みついし農業協同組合勤務を経て、2015年にホースマンシップ講習会、研修、乗馬レッスン、ファームヘルパー制度、乗用馬の生産、育成、インターンの受け入れなどを行うMK Ranchを開業し副代表に、2020年にコンサイナーのTeam Unityを開業し代表に就任した。

 根城健太氏は講演のなかで、馴致の基本理念、保定と駐立、展示とリーディング、コミュニケーションの本質についてレクチャー。スライドと動画で具体的なノウハウを伝えた。

 会場からは「ここ数年、ローソニア感染症の発生時期がどんどんはやくなってきていますが、丹羽秀和先生がお考えになるローソニアワクチンを打つ一番いいタイミングを教えてください」、「コンサイナーとして生産牧場から引き継ぐタイミングで、こういう状態は勘弁してほしいとうのがあれば教えてください」といった質問があった。