馬産地ニュース

荻伏軽種馬青年部のJRA育成馬視察研修が行われる

  • 2025年12月12日
  • 視察研修はJRA育成馬展示会と同じ形で実施
    視察研修はJRA育成馬展示会と同じ形で実施
  • 研修生は展示方法について指導を受けた
    研修生は展示方法について指導を受けた
  • 比較展示に参加した研修生
    比較展示に参加した研修生

 12月10日、浦河町西舎にあるJRA日本中央競馬会日高育成牧場(吉田年伸場長)において、荻伏軽種馬生産振興会青年部(小島悠平部長)によるJRA育成馬視察研修が行われた。

 JRA育成馬視察研修は青年部の事業のひとつ。これまではJRA育成馬の調教見学と調教の合間に展示を行っていたが、JRA育成馬を時間をかけて見学したいということから、今年は4月のJRA育成馬展示会と同じように比較展示で行うことになったという。比較展示にはJRA日高育成牧場のスタッフのほか、公益財団法人軽種馬育成調教センター(草野広実理事長)が行う育成調教技術者養成研修第43期生22人と公益社団法人日本軽種馬協会静内種馬場(遊佐繁基場長)が行う生産育成技術者研修第47期生19人が研修の一環として参加した。

 JRA育成馬視察研修には荻伏の青年部員のほか、浦河町軽種馬生産振興会青年部(田中駿部長)の青年部員を含め約10人が出席。部長の小島悠平氏は「今日は初めての試みということで楽しみにしております。よろしくお願いいたします」と、場長の吉田年伸氏は「荻伏の軽種馬青年部の研修会ということで、多数お越しいただきありがとうございます。例年であれば調教見学会という形で実施していたということでしたが、今年は青年部のみなさまと話し合ったうえで、馬体を、馬をしっかり見たいというご要望もあり、比較展示の展示会のかたちで開催することになりました。展示はJRA職員のほか、BTCとJBBAの研修生が参加します。人馬とも不慣れな部分があります。人も馬もこういった経験ができるのも青年部のこの企画のおかげです。みなさまに感謝申し上げます」とあいさつした。

 比較展示ではJRA日高育成牧場において育成調教されているJRA育成馬、牡馬31頭、牝馬30頭の合計61頭を、牡馬、牝馬とも3班に分け、合わせて6回展示した。

 青年部員は馬体、骨格、肢勢、蹄といったコンフォメーションや歩様をチェック。展示方法や引き馬、しっかりと手入れされていると評した牡馬、牝馬、それぞれ上位3頭を選んだ。

 展示中はJRAの職員やそれぞれの研修の教官が研修生に対し「歩かせるときは大きな声で歩きますといいなさい」、「左から馬を見てる人がいるときは左表で」、「正面と後ろから見ているときは左右の脚を揃えるように立たせなさい」、「引き手を持っている手だけで合図を送りなさい」、「立たせるときはしっかりと頭を上げさせる」、「歩かせるときは右回りで歩かせて馬体がしっかり見えるように」などとアドバイスした。

 JRA育成馬61頭を管理するJRA日高育成牧場業務課課長の遠藤祥郎氏は「放馬などもなく無事に終わってよかったとおもいます。牧場で働くと、せりやお客さんが牧場に来たときに馬見せをやります。馬に乗るだけでなく展示というのもホースマンとして大事な仕事のひとつになります。馬を引くのは簡単な技術ではないですが、騎乗技術と合わせて技術を磨いてほしい」と研修生を労った。