北海道日高装蹄師会の秋期装蹄技術向上研修会が開催される
12月5日、新ひだか町静内神森にある日高軽種馬農業協同組合静内支所2階大会議室において、北海道日高装蹄師会(門別尚省会長)の主催による秋期装蹄技術向上研修会が開催された。
秋期装蹄技術向上研修会の講師にはノーザンファーム場長の津田朋紀氏を招聘。「ノーザンファームがいま考えていること悩んでいること-装蹄師の皆さんとつくる馬づくりの未来-」が演題になった。
秋期装蹄技術向上研修会には、会長の門別尚省氏をはじめとした役員や会員約40人が出席。主催者を代表して門別尚省氏は「本日はお忙しいなか、たくさんご出席いただきありがとうございます。この秋期研修会についてですけど、役員会でどういう感じにしたら、会員のみなさんに多く集まっていただけるか、知恵を出してもらっているんですけど、今回は森野健太副会長から津田朋紀場長にお願いしたところ、海外出張とかがあるなか、講師を引き受けていただきました。心から感謝申し上げます。この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございます。先に講演の内容を拝見させていただきましたところ、かなり興味深いことがたくさん書いてありました。みなさまにおかれましても、今日の研修会はたいへん有意義な時間になるのではとご祈念申し上げます」とあいさつした。
講師の津田朋紀氏は奈良県出身の48歳。幼少期から動物が好きで、小学校のころに「動物博士」と呼ばれたことをきっかけに獣医師を志したという。
学生時代から大阪府立大学入学後も陸上競技を続けた津田朋紀氏は、自身のけがの経験から理学療法の知識を習得。その知識を生かせるサラブレッドに興味を持つうちに、馬のバランスを整える装蹄師に強いあこがれを抱き、大学を休学しオーストラリアへ留学。同じ時期に留学していた北海道日高装蹄師会副会長の宮下裕行氏と出合い、装蹄の基礎について学んだ。
大学卒業後は蹄葉炎やけがを治す装蹄獣医師を目指して研修を続け、けがを予防するためには骨が固まる前の当歳の装削蹄がもっとも重要だと気付き安平町へ移住。社台ホースクリニックの獣医を経て、現在、ノーザンファームの場長に就任し5年目を迎えた。
津田朋紀氏は講演のなかで、ノーザンファームがいま考えている馬づくりの方向性、装蹄師とともに乗り越えた蹄疾患、生産地の装蹄師に期待すること、業界の未来を一緒に創るために、について言及。出席者からは「ジャパンC(G1)に勝ったカランダガンは、あれだけ強いのに、牝系を大事にする牧場なのに、なんで騸馬になったのでしょうね」、「馬へのストレスは与えないのがベストなのか、それともどんどんストレスを与えて、そのストレスを感じないぐらい強くする方がいいのか?」、「良い子馬の条件は?」、「先生の目指す良い蹄とはどういう蹄ですか?」、「蹄葉炎を発症しないようにするにはどのように管理すればよいですか?」、「餌を与えるときに工夫していることはありますか?」、「いまノーザンファームで困っている疾病は何ですか?」、「自分が担当する牧場で腰痿になる当歳が多くて悩んでいます」など、数多くの質問や疑問、意見等が出された。















