日本ウマ科学会の年次大会が開催される
12月1日と2日に渡って、東京都墨田区のKFC(国際ファッションセンター) Hall & Roomsにおいて、日本ウマ科学会の第38回年次大会が開催された。
「日本ウマ科学会」は、「獣医学や畜産学に限らず、ウマに関する人文科学や芸術なども取り込んで、幅広い分野の会員を募り、相互に情報を発信するとともに、研究者と実務者が一堂に会して意見を交換し、現場のニーズに対応した学術や技術の向上と普及を促進する」という趣旨の下に、1990年の3月31日付けで発足。その年に第1回学術集会をJRA馬事公苑で行った。
2004年からは学術集会の開催地を東京大学へと移し、2008年からは学術集会をJRAの「競走馬に関する調査研究発表会」と連続で開催するようになっている。
2017年の第30回学術集会からは、KFC Hallが開催地となり、2020年と2021年はコロナ禍によりWeb開催に変更となるも、2022年からはKFC Hallでの開催が再開されている。
12月1日の9時からは第1会場となっているKFC Hallにおいて、JRAの「競走馬に関する調査研究発表会」が開催。お昼の「ランチョン 協賛企業セミナー」を挟み、13時半からは30演題の講演が行われた。
また、第2会場のRoom 101-103では同日の11時から「日本ウマ科学会」の一般公演が行われており、午前中には6つの演題、13時半からは20演題の講演が行われている。
12月2日の9時からは第1会場で「日本ウマ科学会」の一般公演の優秀発表記念講演が行われた。今年の優秀発表賞は、
・「リン酸チタニアの馬病原性細菌に対する殺菌効果ならびに
馬房内での継続的な殺菌効果の検証」
・「画像認識AIによる繁殖牝馬の分娩徴候検出」
・「鬐甲部骨折を発症したサラブレッド種育成馬の12症例」
・「生体滞留性抗酸化剤(SMAPoTN)の関節内酸化ストレス抑
制効果」
・「気温がサラブレッド競走馬の走行速度に与える影響」
と5つの演題となっている。その後には奨励賞受賞講演が行われ、「対州馬の保全に関する研究」との演題で、鹿児島大学大学院共同獣医学研究科の吉原知子さんが講演を行った。第2会場のRoom 101-103でも9時から11の演題、13時10分からは19の演題の講演が行われている。
また、両日に渡りKFCホールアネックスでは、協賛企業による企業展示が開催。ブースを巡るスタンプラリーでは「馬」にまつわる豪華商品の抽選会も開催された。
Hall 2ndでは馬の画家が組織する「伯楽会」の展示も行われていただけでなく、1日の文化芸術系特別講演では、白楽会のリーダーかつ日本ウマ科学会の評議員でもある倉田孝之氏を講師に迎えて、
・「国際展サロンドトーヌへ馬の絵を出品 ―馬術を教え、ウ
マを描く日々―」
との演題での講演も行われた。両日に渡って日本ウマ科学会の会員である獣医師や、JRA関係者だけでなく、美浦や栗東の調教師なども会場に足を運んでおり、演題の発表時には立ち見となるほどの盛況だった。















