馬産地ニュース

胆振地区生産育成技術講座2025が開催される

  • 2025年11月27日
  • 講師を務めたJRA調教師の矢作芳人氏
    講師を務めたJRA調教師の矢作芳人氏
  • 千歳市で開催された胆振地区生産育成技術講座2025
    千歳市で開催された胆振地区生産育成技術講座2025
  • 主催者を代表してあいさつする胆振軽種馬農業協同組合青年部岩崎義久部長
    主催者を代表してあいさつする胆振軽種馬農業協同組合青年部岩崎義久部長

 11月26日夜、千歳市北栄にあるANAクラウンプラザホテル千歳2階千歳の間において、「胆振地区生産育成技術講座2025」が開催された。

 「胆振地区生産育成技術講座2025」は、IBA胆振軽種馬農業協同組合(田中芳郎代表理事組合長)と胆振軽種馬農業協同組合青年部(岩崎義久部長)の共催。本年はJRA調教師の矢作芳人氏を講師に迎え、「レースに勝つための馬づくり~いまサラブレッド生産界に求められていること~」と題した講演が行われた。

 当日は組合員や青年部員のほか、組合員の牧場スタッフ、日高や十勝の牧場関係者など300人以上が出席。主催者を代表して岩崎義久部長は「本日はお忙しいなか、お集まりいただき、まことにありがとうございます。本日は、日本競馬の最前線で、あくなきチャレンジ精神を貫き、次々と偉業を成し遂げてこられた矢作芳人調教師をお迎えでき、本当に光栄におもっております。その圧倒的な結果はもちろん、挑戦を恐れず積み上げ続けるスタイルには、わたしたち生産者が学ぶべき点ばかりです。矢作芳人調教師の姿を見るたびに、わたしたちももっと強く挑んでいかなければと、つねに刺激をいただいております。本日のテーマ、いまサラブレッド生産界にもとめられているものはまさに、いまのわたしたちに必要なヒントだと感じています。どうか率直なお話を聞かせていただければ幸いです」とあいさつした。

 講師として招かれたJRA調教師の矢作芳人氏は、東京都出身の64歳。2005年の厩舎開設以来、数々のスターホースを輩出してきた日本を代表する調教師として知られる。無敗の三冠馬コントレイルをはじめ、リスグラシュー、ラヴズオンリーユー、マルシュロレーヌなど、国内外のG1を次々と制すなど、これまで数々の名馬を多数管理してきた。先日は、フォーエバーヤングがBCクラシック(G1)を制する快挙を達成。「馬に合わせて最良の調教をする」をモットーに、理論的かつ柔軟なアプローチで、開業から11月25日までの20年間で通算937勝をマーク。JRA賞受賞歴は、年間最多勝利調教師を6度(2014年、2016年、2020年、2021年、2022年、2024年)、「賞金獲得最多調教師」を5度(2019年、2020年、2021年、2022年、2023年)、「優秀技術調教師」を2度(2020年、2021年)がある。

 講演のなかで矢作芳人調教師は、海外で学んだ発想の自由さとファーストペンギン精神を軸に、馬の個性、疲労回復を重視した調教、実利的な番組選択、徹底した権限委任と透明性ある厩舎運営などについて披露。せりなどで馬を選ぶ際に、当歳や1歳馬でどのようなところに着目して選んでいるのか」、「最近の馬は大型馬が活躍する傾向にありますがその要因は?また牧場内でも全体的に大型になる傾向がありますが気をつけてほしいことはありますか?」、「育成環境のなかで、とくに馬の精神面の安定を大切にされていると聞いたことがあります。具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか?」、「強いチームをつくるにあたって、意識していることや具体的な取り組みについて、また、厩舎運営を行うにあたってのスタッフに対する接し方や心持ち、厩舎を運営するうえで失敗したことや、これだけはやってはいけないと考えていることを教えていただきたい」といった質問にも丁寧に答えた。

 結びに矢作芳人調教師は「2つ伝えたいことがあります。一つは何度失敗しても最後に成功をする。最後に勝つ。そうすれば、すべてそこまでは失敗じゃなくて経験になります。ですからトライしたら最後までやりましょう。最後までやってうまくいけば、それは成功です。もう一つは、わたしたちは次の勝利、あるいは大きな勝利、G1勝利を目指してやっている。それに変わりはないとおもいます。ただ、本質は違うんじゃないかなとおもいます。調教師とスタッフと馬、みんなが幸せになる。これが一番の究極の目標じゃないですか。みんなが幸せになる、馬が幸せになる、われわれが幸せになると考えて仕事をやってもらえれば、今日、自分がきた甲斐があったとおもいます」と話した。