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日本軽種馬青年部連絡協議会の研修会が行われる

  • 2025年11月25日
  • せりに向けての馬づくりがテーマになった研修会
    せりに向けての馬づくりがテーマになった研修会
  • パネリストとして登壇した4人
    パネリストとして登壇した4人
  • 座長を務めた三浦久延氏
    座長を務めた三浦久延氏

 11月20日夜、千歳市北栄にあるANAクラウンプラザホテル千歳2階のゆうふつの間において、日本軽種馬青年部連絡協議会(佐々木拓也会長、会員221名)の主催で「せりに向けての馬づくりについて」と題した研修会が行われた。

 この研修会は日本軽種馬青年部連絡協議会の令和7年度事業として計画した国内研修のひとつ。研修会には佐々木拓也会長や藤沢亮輔副会長、椎名亮平副会長をはじめとした役員や会員のほか、公益社団法人日本軽種馬協会生産対策部部長である田村正和氏、JRA日本中央競馬会生産地研修生で情報システム部統合情報システム課課長の尾﨑準一氏、ウインズ部ウインズ事業室調査役の菱田圭吾氏、競走部厩舎関連室主任調査役の樋口友也氏、日高軽種馬農業協同組合や胆振軽種馬農業協同組合の職員など約50人が出席した。

 研修会のパネリストには(株)レイクヴィラファーム代表取締役の岩崎義久氏、JRA日高育成牧場業務課課長の遠藤祥郎氏、(有)村田牧場専務の村田康彰氏、(有)フジワラファームの藤原凌一氏を招聘。座長はファームコンサルタントで獣医師の三浦久延氏が務めた。

 岩崎義久氏が代表を務める(株)レイクヴィラファームは2011年に創業。生産と中期育成を行っている。近年の活躍馬にはグローリーヴェイズ、クールキャット、トリオンフ、ホウオウイクセル、カフジオクタゴン、コウソクストレートなどがいる。

 遠藤祥郎氏が勤務するJRA日高育成牧場は、生産、中期育成、後期育成を実施。生産馬とせり購買馬はJRA育成馬として調教し、JRAブリーズアップセールにて売却している。近年の活躍馬にはヒロシゲゴールド、エイティーンガール、リバーラ、イッツクール、スリールミニョン、オケマルなどがいる。

 村田康彰氏の村田牧場は生産と中期育成を実施。毎年20頭前後生産しており、近年の活躍馬にはディープボンド、モズベッロ、ノースブリッジ、ピューロマジック、フルデプスリーダー、ソリストサンダーがいる。

 藤原凌一氏のフジワラファームは、生産、中期育成、後期育成を行う総合牧場。生産頭数は約50頭で近年の活躍馬にはレーヌミノル、セットアップ、ワイドファラオ、エーポス、ランスオブプラーナ、サトノフェイバー、ワイドラトゥールがいる。

 研修会では、各牧場における、せり選択の判断時期や基準、目標のせりへ向けての飼養管理、JRAの購買馬の指標などについて言及。飼料や運動、施設といった各牧場が実践する冬季の昼夜放牧の具体的な管理方法や、そこから得られた成功体験や失敗談を共有した。

 生産者にとって、もっとも身近な課題のひとつである馬づくりに焦点をあてたこともあり、胆振の生産者、日高の生産者、JRAの専門家が三者三様、それぞれの立場から活発な議論を展開。最後は各パネリストが、強い馬づくり、実績向上、人材育成といった今後の目標や展望を語った。