道営スプリントでスペシャルエックスが2連覇
ホッカイドウ競馬のスピード王決定戦JBC協会協賛「東京スポーツ杯第20回道営スプリント(ビッグアーサー賞)」が11月5日、門別競馬場で行われ、道中は2番手を進んだ吉原寛人騎手騎乗の2番人気スペシャルエックスが1分12秒7(やや重)で優勝。今年1月の兵庫ウインターCに続く重賞制覇で、道営スプリント2連覇を成し遂げ、通算成績を22戦10勝2着4回3着1回(重賞6勝)とした。
管理する田中淳司調教師にとっては10月の鎌倉記念(優勝馬ベストグリーン)に続く重賞勝利で、今年に入ってから8勝目で通算110勝。騎乗した吉原寛人騎手にとっては、10月のMRO金賞(リトルサムシング)に続く重賞勝利で今年21勝目。地方競走通算重賞勝利数を199勝として、区切りの勝利にリーチをかけた。
スペシャルエックスは、日高町の増尾牧場生産馬。昨年の道営スプリントを1番人気に応えて快勝し、その後、兵庫ゴールドT(Jpn3)ではJRA勢に混じって4着。さらに兵庫ウインターCでは全国から集まった猛者たちを一蹴するなど、今年はホッカイドウ競馬という枠を飛び越えた活躍が期待された1頭だった。しかし、ホッカイドウ競馬の開幕前に脚部不安を発症。シーズン前半を棒に振る事となってしまったが、鮮やかな復活劇となった。
スピード自慢が顔を揃えた1戦。真っ先にゲートを飛び出したのはスペシャルエックスだったが、宮内騎手に乗り替わったベラジオゼロがハナを奪いレースを引っ張る。先行力を武器に星雲賞を勝ったミラクルヴォイスが前2頭を追いかけ、ここまで重賞6勝ストリームもインコースからジワリと差を詰めて先行集団に加わってくる。クラスターC(Jpn3)2着のあと、ウポポイオータムスプリントで重賞初制覇を成し遂げた1番人気のキャンディドライヴはそれら有力馬を射程圏内に入れながらレースを進めるが、前半の2ハロンは12秒6、11秒1。スローペースとは言わないがメンバーを考えると決して早くない。こうしたペースにほくそ笑んだのは吉原寛人騎手だ。
「(今年の星雲賞、秋の鞍3歳オープンで顔を合わせている)ベラジオゼロの強さはわかっていたので、理想的なポジションでマークすることが出来た」と、吉原寛人騎手。息を入れたい3~4コーナーで外からプレッシャーをかけ続ける位置でレースを進めると、4角をまわってスパート。外から馬体を併せに来たミラクルヴォイスを残り200m付近で突き放すと、懸命に脚を伸ばしてきたキャンディドライヴ、追い込みにかけたデステージョに1馬身半の差をつけて先頭ゴールインを果たし、2013年から3連覇を果たしたアウヤンテプイ、2022、2023年のスティールペガサスに続いて同レース連覇を成し遂げた。
初騎乗で愛馬を優勝に導いた吉原寛人騎手は「初めてまたがった時から、背中が柔らかくて、良い馬と思った。最後の直線で1頭になったときに馬が遊んでしまったが、結果を出すことが出来て嬉しい」と相好を崩しながら、愛馬を称えてインタビューを締めくくった。















