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JBC2歳優駿(Jpn3)が門別競馬場で行われタマモフリージアが優勝

  • 2025年11月06日
  • 外から力強く脚を伸ばしたタマモフリージア
    外から力強く脚を伸ばしたタマモフリージア
  • 自厩舎の馬での重賞勝利にほっとした表情で引き揚げてきた田口貫太騎手
    自厩舎の馬での重賞勝利にほっとした表情で引き揚げてきた田口貫太騎手
  • 新馬~重賞という離れ業をやってのけた
    新馬~重賞という離れ業をやってのけた
  • 田口貫太騎手は2年連続重賞勝利
    田口貫太騎手は2年連続重賞勝利
  • 左から2人目が大橋調教師
    左から2人目が大橋調教師

 明日のスターを夢見る馬たちによるJBC2歳優駿(Jpn3)が11月3日、門別競馬場で行われ、スタートの出負けを1角までにリカバリーした6番人気のタマモフリージア(牝、父ルヴァンスレーヴ)が最後の直線で力強い末脚を発揮し、4頭がほぼ1戦となったゴール前の叩きあいを制して1分55秒5(重)で優勝した。管理した大橋調教師にとっては2022年浦和記念(Jpn2)(優勝馬クリノドラゴン)以来のダートグレード勝利で重賞通算12勝目。2023年にデビューした田口貫太騎手にとっては、昨年の関東オークス(Jpn2)(アンデスビエント)に続く重賞勝利で通算2勝目。生産した岡田牧場にとっては今年5月の兵庫ChS(Jpn2) (マテンロウコマンド)に続く重賞勝利となった。

 人気を集めたのはJRA勢の牝馬。中でもダートに替わった未勝利戦を7馬身差で圧勝したシーズザスローンが単勝オッズは2.4倍という支持を集めた。祖母は門別競馬場で行われたブリーダーズGC(Jpn3)の連覇を含めダートグレード6勝のアムールブリエで、曾祖母は天皇賞(秋)(G1)に勝ったヘヴンリーロマンス。近親には2016年のJBCクラシック(Jpn1)を制したアウォーディーもいる血統馬だ。続いたのはダートの新馬戦を楽勝したジュウリョクピエロで単勝オッズは5.4倍。こちらの祖母は帝王賞(G1)に勝ったネームヴァリューで、3番人気はダート替わり初戦未勝利戦を勝ちあがってきたエピファネイア産駒のフルールドールで単勝オッズは5.7倍。一方、地元の期待を集めたのは不敗のままサンライズCを勝ち上がってきたエンドレスソロウ。単勝オッズは6.2倍を示していた。

 確固たる逃げ馬不在の1戦。互いに相手の出方をうかがうようなゆっくり目のスタートで1角に向かう。これが、馬場入りの際に気難しさを出し、ゲートを上手く出る事が出来なかったタマモフリージアを味方した。押し出されるようにハナを切ったのはシーズザスローンだったが、2番手にフルールドール。石川倭騎手がエンドレスソロウを3番手にエスコートする中、田口貫太騎手はそれらを見るような位置にタマモフリージアを押し上げる。前半3ハロンが37秒2で、半マイル通過は49秒9。決して速くはないが、緩まぬラップが前目にポジションを取った有力馬たちからスタミナを奪っていく。ジュウリョクピエロは後方3番手。サンライズCで逃げたトレモロ、前走の平場戦を逃げて勝ったレーザーベルンが5,6番手でサンライズC 3着のアヤサンジョウタロとJRA 1戦1勝ケントンがその後ろ。2番人気のジュウリョクピエロは後方3番手。

 レースが動いたのは3角手前。門別競馬場を知り尽くしている石川倭騎手が懸命に前を追うも、前を行く2頭との差が詰まらない。そんな流れの中インコースで息を潜めていたタマモフリージアが4角手前から外に持ち出して追撃を開始。懸命に粘り込みを図る先行勢をゴール前で捕らえて先頭ゴールインを果たしている。2着に2番手でレースを進めたフルールドールが粘り込み、3着は最後の直線で進路を切り替えるロスがありながらも最速の末脚で迫ったアヤサンジョウタロ。

 「砂を被っても嫌がることなく、有力馬を見るような位置でロスなくレースを進めることができましたし、こちらの指示にしっかりと応えてくれた」と田口貫太騎手。自身2度目となる重賞勝利に頬を紅潮させ、大橋調教師は「まだまだ課題も多く残すが、能力の高さを示してくれた」と満足そうにレースを振り返った。