エーデルワイス賞(Jpn3)でリュウノフライトが優勝
10月30日、門別競馬場で2歳牝馬による唯一のダートグレード競走「エーデルワイス賞(Jpn3)」がダート1,200mを舞台に行われ、好位を進んだ浦河町の上山牧場生産リュウノフライト(父ホッコータルマエ、母ピエールナオチャン)が1番人気に応えて優勝した。管理する山口竜一調教師にとっては今年8月のフルールC(優勝馬リュウノフライト)に続く重賞勝利で通算6勝目。手綱を取った小野騎手にとっては10月の鎌倉記念(優勝馬ベストグリーン)に続く重賞勝利で通算16勝目、昨年のJBC2歳優駿(Jpn3)に続くダートグレード勝利となった。
過去10年間でホッカイドウ競馬勢が7勝と地元ファンの期待に応えているものの、昨年はJRA所属のミリアッドラヴが楽勝。その後、同馬は牡馬を相手に全日本2歳優駿(Jpn1)も楽勝しており、今後のダート短距離界を占う意味でも見逃せないレースとなっている。
今年は登録段階ではJRAから9頭が参加の意思表示がされ、選ばれたのは新潟2歳S(G3)5着タイセイフレッサと6月のデビュー戦でブラックチャリスの2着し、前走の函館2歳S(G3)は外枠に泣かされたトウカイマシェリ。そして、7月の新馬戦を勝ってカンナSで1番人気の支持を受けたミスバレンシアと、ダートに替わり初戦を楽勝してきたアパタイトテソーロの4頭。いずれも劣らぬ高素質馬である反面、ダート競馬の経験があるのはアパタイトテソーロのみ。人気はホッカイドウ競馬所属のリュウノフライトに集中した。2019年に道営記念を勝ったリンノレジェンドの半妹。前哨戦的位置づけにある7月のリリーCは好ダッシュを見せるも行きたい馬を行かせての中団待機。終わってみれば5馬身差の圧勝で、前走のフルールCは重馬場だったとはいえ23秒0~34秒7のハイペースを2番手で追走し、最後は流すようにして4馬身差。その圧倒的なスピードは他を圧しており、最終的な単勝オッズは1.3倍を示していた。2番人気以下はトウカイマシェリの単勝オッズ6.8倍。以下タイセイフレッサの単勝オッズ9.2倍、アパタイトテソーロの単勝オッズ9.4倍とJRA勢が名を連ねた。
先手を奪ったのはJRA札幌競馬場のすずらん賞でもハナを叩いたエムティリオ。岩手でリーディングジョッキーを独走する山本聡哉騎手がレースを引っ張ろうとするが、トウカイマシェリがやや口を割りながら並びかけ、内からタイセイフレッサ、外から2戦2勝のタケノルル。人気のリュウノフライトはその真ん中に位置し、さらにアパタイトテソーロと、ミスバレンシアが加わり23秒4(12秒4~11秒0)~35秒6という数字以上に激しい先行争いとなり、その後も12秒2、12秒0と息の入らぬ激しい争い。次第にライバルたちが脱落していくなかで、人気を集めていたリュウノフライトが自然とハナに立つ。食らいついてくるのはトウカイマシェリ。ほぼ一騎打ちの様相となったが、交わすほどの勢いはなく1馬身半差のリードを保ったままでのゴールとなった。
「パドック、返し馬と落ち着いていて、とても良い雰囲気で、追走も楽。ゴーサインを出したあとは真面目に最後まで走ってくれる。今日はこの馬の良いところを見せられたと思う」と小野騎手。山口竜一調教師も「今日は馬にとって良い経験になったと思う。まだまだ強くなってくれるはず」と全幅の信頼を置き「素晴らしい才能の持ち主」と最大級の賛辞で愛馬を称えた。















