グランシャリオクイーンズでゼロアワーが優勝
ホッカイドウ競馬の女王決定戦「JBC協会協賛ウエストオーバー賞第2回グランシャリオクイーンズ」が10月9日、門別競馬場1,700mコースで行われ、逃げ、先行馬を見るような位置でレースを進めた落合玄太騎手騎乗の1番人気ゼロアワー(牝3歳、父ステッペンウルフ、母ステップフォード、その父フリオーソ)が直線入り口で先頭に立ち1分49秒6(良)で優勝。通算成績を14戦6勝2着2回3着1回(重賞5勝)とした。管理した佐々木国明調教師にとっては今年6月のフロイラインカップ(優勝馬ゼロアワー)に続く重賞勝利で通算5勝目。落合玄太騎手にとっては前々週のウポポイオータムスプリント(優勝馬キャンディドライヴ)、前週のネクストスター門別(同スペシャルチャンス)に続く3週連続重賞勝利で今年4勝目で、通算25勝目。2018年セントライト記念優勝ジェネラーレウーノなどを生産している新生ファームにとっては今年8月のくろゆり賞(優勝馬イイネイイネイイネ)に続く重賞勝利となった。
グランシャリオクイーンズ連覇を狙うサンオークレアと昨年2着の雪辱を期すポルラノーチェ、前走の日高生産連特別を楽勝して挑む重賞3勝ヴィヴィアンエイトらを差し置いて、単勝1.8倍という人気を集めたのは、前走のブリーダーズGC (Jpn3)でホッカイドウ競馬所属馬として唯一掲示板を確保した3歳馬ゼロアワー。昨年5月にフレッシュチャレンジ競走を勝ったときは2019年の京浜盃に勝ったステッペンウルフ唯一の初年度産駒として注目を集めたが、その後フルールC、フローラルC、ブロッサムCと重賞3連勝し、南関東へ移籍。暮れの東京2歳優駿牝馬でも2着と健闘し、今春の南関東牝馬クラシック戦線を賑わせた活躍牝馬だ。東京プリンセス賞のち、ホッカイドウ競馬に復帰。その初戦となる6月のフロイラインCでは石川倭騎手とのコンビで大差勝ちを収めている。
今回は、そのフロイラインC以来となるホッカイドウ競馬所属馬による牝馬限定重賞。「負けられない」サンオークレアVS「勝って世代交代をアピールしたい」ゼロアワーによる注目の女王決定戦となった。
先手を奪ったのは、これまで春のフロイラインスプリントを7馬身差で逃げ切った3歳馬ワンダーウーマン。予定していた黒澤愛斗騎手病気のため、急遽の乗り替わりだったが、宮内勇樹騎手にしてみれば自身が重賞初勝利を記録したときの心強いパートナーだ。逃げる事に迷いはなかったようだが、馬にとっては初めて経験する距離だけにしっかりと手綱を抑えてペースを落とす。前半700mの通過ラップは昨年が45秒4だったのに対して今年が46秒6だから、かなり遅い。こうした流れに戸惑ったのはゼロアワーだ。「スローペースになると思っていましたので、とにかく折り合いを重視しましたが、少し(ハミを)噛んでしまった」と落合玄太騎手。一方のサンオークレアは、石川倭騎手にやや促されながら後方のインを追走。向こう正面なかばを過ぎるころにはゼロアワーを射程圏内に収める位置まで押し上げるも「相手(サンオークレア)は後ろだと思っていましたので、気配を気にしながらレースを進めた」という落合玄太騎手は4角手前からスパート。さすがに最後は差を詰められたものの半馬身のリードを保ったままゴールへと飛び込んだ。
「強い馬が追い上げてきたので、ゴールするまでドキドキでした。強い馬と競馬をすることで、ひと回り強くなってくれた」と佐々木国明調教師。「まだ3歳馬。これからも強い競馬を見せてくれると思う」とインタビューに応える落合玄太騎手は誇らしげだった。