ノーザンホースパークで引退競走馬杯馬場馬術が開催される
9月28日、苫小牧市美沢にあるノーザンホースパークにおいて、公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会(武宮忠彦会長)の主催によるRRC2025北海道大会の馬場馬術競技が行われた。
RRCはRetired Racehorse Cupの略称で引退競走馬杯と名付けた馬術競技。引退競走馬の馬術競技馬や乗用馬への転用促進のための入り口の競技会として、2018年から行われている。引退競走馬限定の馬術競技会で、JRA日本中央競馬会の特別振興資金助成事業のひとつ。競技会の開催支援や競技成績に応じた飼育奨励金の交付等がある。
本年度は障害馬術、馬場馬術、総合馬術、TREC(Technique de Randonnée Equestre de Compètition:野外馬術の技術審査競技)の4種目を実施。馬場馬術は全国8会場で地区大会が行われ、各地区大会の代表が集うファイナルは、12月7日に東京都のJRA馬事公苑で開催される。
馬場馬術の出場条件は、競走馬引退後3年以内の3歳以上で、未出走馬は年齢が3歳以上7歳以下。北海道大会は第47回北海道地区乗馬大会のなかで行われた。
RRC2025北海道大会の馬場馬術には33頭がエントリーし、当日は32頭が出場。そのなかには、2023年の小倉大賞典(G3)などを制覇したヒドゥンタイムズ、2020年の福島記念(G3)などを制覇したバイオスパーク、2018年の京都記念(G2)、2020年のみやこS(G3)などを制覇したクリンチャー、2022年の小倉大賞典(G3)などを制覇したアリーヴォ、2022年の東海S(G2)、2021年のエルムS(G3)、2020年のマーチS(G3)などを制覇したスワーヴアラミス、2022年のステイヤーズS(G2)などを制覇したシルヴァーソニック、2019年の京阪杯(G3)などを制覇したライトオンキュー、2020年、2021年、2023年の香港マイル(G1)、2021年、2022年、2023年のチャンピオンズマイル(G1)、2021年、2023年の香港ゴールドC(G1)、2021年、2023年のスチュアーズC(G1)などを制覇したゴールデンシックスティ、2019年の毎日杯(G3)などを制覇したランスオブプラーナといった重賞競走優勝馬もいた。
多くの観客が見守るなか行われた競技は審査の結果、スワーヴアラミスが第1位、サトノルークスが第2位、クリンチャーが第3位、ライトオンキューが第4位、バイオスパークが第5位に入賞。第1位には奨励金40万円と賞状、地方競馬全国協会賞(びらとり和牛)、第2位には奨励金20万円と賞状、地方競馬全国協会賞(同)、第3位には奨励金15万円と賞状、地方競馬全国協会賞(同)などが贈呈されたほか、第10位までが表彰された。
28日の馬場馬術には香港のスーパースター・ゴールデンシックスティの出場が大きな話題を集め、32頭が出場した。こちらはスワーヴアラミスと細川由妃さんが優勝し、2位はサトノルークスと加藤諒さん、3位はクリンチャーと加藤勝さんとなった。
優勝したスワーヴアラミスはにいかっぷホロシリ乗馬クラブ所属の乗馬で、競走馬時代はダート重賞を3勝。昨年、競走馬を引退してリトレーニングを開始し、今年は馬術大会に4回出場してキャリアを積んだ。コンビを組んだ細川由妃さんは「昨年12月に去勢して、年が明けてから本格的にリトレーニングを始めました。その頃から今年のRRC出場を大目標に置いていたので、このような結果を出せて嬉しいです。30頭以上いる中で優勝できたことは自信につながりますね。大会では障害馬術、馬場馬術と両方に出場していましたが、馬場の方が得意な馬で上位を狙っていました。競技ではメリハリをつけて乗ることを意識していました。バネがあって賢く、精神力の強い馬です。春から上達を感じていますが、まだ課題はあるので、ステップアップしながらファイナルを目指したい」と、声を弾ませた。