静内小学校が矢野牧場を見学
9月30日、新ひだか町静内真歌にある矢野牧場において、新ひだか町静内緑町にある新ひだか町立静内小学校(松田陽一校長)の5年生が、生産牧場について学んだ。
これは静内小学校の総合的な学習の時間の一環。総合的な学習の時間は、学校が地域や学校、児童生徒の実態等に応じて、教科等の枠を超えた横断的・総合的な学習と探究的な学習、協働的な学習をするカリキュラムで、第2回目となる今回は生産牧場が舞台になった。
児童を出迎えた矢野牧場の矢野亨憲社長は「矢野牧場は1913年に牧場を始めました。いまから112年前、112年の歴史を持つ牧場です。わたしで4代目になります。もともとは田んぼとか畑を耕す農耕馬を養っていました。戦争のときは軍馬を養いました。最初の東京オリンピックのときに、この牧場で生まれた馬が障害飛越競技に出場しました。それこそ、名前は、この地区の地名であるマウタといいました。それから時代を経ていまは競走馬の生産をしています。牧場の種類は、生産牧場、育成牧場、それから生産と育成をやる総合牧場、お父さん馬だけを管理する種馬場、最近では引退した競走馬を養う養老牧場も増えています。矢野牧場は生産牧場です。お母さん馬を管理して生まれた馬を売ってお金を稼ぐ牧場です。いまは30頭のお母さん馬がいます。毎年24頭から25頭生まれています。その子どもをせりとかで売って生活しています」と矢野牧場の概要について説明した。
続いて、今年生まれた仔馬とお母さん馬の親子、離乳を終えた当歳、お母さん馬と仔馬を別々にする離乳の様子、広大な放牧地、北海道オータムセールに上場する1歳馬などをお披露目し、生産牧場がどのようにして馬を育てているのか、生まれた仔馬がどのように成長するのかなどを伝えた。
児童は「馬はどれくらい生きますか?」、「馬の脚を揃えて立たせるにはどれくらい時間がかかりますか?」、「馬のご飯を食べる量はどれくらいで、どんなものを食べさせますか?」、「牧場の仕事で大変なことは何ですか?」、「どうすれば馬に乗る人(騎手)になれるのですか?」、「せりは何回ありますか?」、「離乳した馬はどれくらいで慣れますか?」、「馬のお世話以外にどんな仕事をしていますか?」、「馬はけんかをしますか?」などと疑問をぶつけた。
最後に矢野社長は「この授業をきっかけに、みんなが馬に興味を持ってくれたらうれしいです。そして、大きくなったら馬主になって、ロイヤルファミリーになって、おじさんの牧場に馬を買いにきてください。きょうはありがとうございました」と見送った。