静内軽種馬生産振興会が功労馬慰霊祭を執り行う
10月1日、新ひだか町静内田原にある桜舞馬公園(オーマイホースパーク)において、静内軽種馬生産振興会(畠山史人会長)の主催で功労馬慰霊祭が執り行われた。
静内軽種馬生産振興会は新ひだか町静内地区の生産者で組織される親睦団体。功労馬慰霊祭は静内軽種馬生産振興会の事業のひとつで、毎年秋に行っている。
平成2年に開設された桜舞馬公園には、テスコボーイのブロンズ像が中央に鎮座。園内には活躍馬を送り出した静内にゆかりのある種牡馬や繁殖牝馬の墓碑や数多く建立されている。昨年の功労馬慰霊祭後には、イシノサンデーの墓碑を建立したほか、繁殖雌馬之碑にネームヴァリューを刻銘した。現在、功労種牡馬の墓碑は40基42頭、功労繁殖牝馬の墓碑は5基5頭、功労種牡馬之碑の刻銘は22頭、功労繁殖雌馬之碑の刻銘は71頭になる。
イシノサンデーは1993年5月29日に静内町神森にある(現新ひだか町静内神森)服部和則氏の牧場で誕生。父はサンデーサイレンス、母はジェフォリーという血統になる。1995年9月に函館でデビューし、1998年に現役引退。競走成績は22戦6勝で、主な勝鞍として1996年の皐月賞(G1)、1996年のダービーGP、1997年の京都金杯(G3)がある。
現役引退後は、種牡馬として日本軽種馬協会下総種馬場、七戸種馬場、九州種馬場、静内種馬場、十勝軽種馬農業協同組合種馬所などで繋養され、2016年に種牡馬を引退。種牡馬引退後は静内種馬場にて功労馬として余生を送っていたが、昨年8月18日に老衰のため31歳で死亡した。主な産駒には2004年の報知GPCに勝利したイシノファミリーがいる。
ネームヴァリューは1998年3月3日に静内町真歌(現新ひだか町静内真歌)にある飛野牧場で誕生。父はオナーアンドグローリー、母はマジソンカウンティという血統になる。2000年8月に札幌でデビューし、2004年に現役引退。競走成績は29戦10勝で、主な勝ち鞍として、2003年の帝王賞(Jpn1)、2003年TCK女王盃(Jpn3)がある。2002年度のNARグランプリ最優秀牝馬、2003年度のNARグランプリ年度代表馬、4歳以上最優秀馬並びに最優秀牝馬を受賞している。現役引退後は生まれ故郷で繁殖入りし2017年に繁殖生活を引退。繁殖引退後は功労馬として余生を送っていたが、昨年10月14日に26歳で死亡した。
功労馬慰霊祭には静内軽種馬生産振興会の畠山会長、公益社団法人日本軽種馬協会静内種馬場の遊佐繁基場長、日高軽種馬農業協同組合の矢野亨憲理事と谷岡康成代表監事、しずない農業協同組合の西村和夫会長理事、北海道静内農業高等学校の篠原圭校長、新ひだか町の大野克之町長と産業建設部及川敦司部長、アロースタッドの岡田隆寛代表取締役と松木優場長、(株)ジェイエスの大西恵介セールスマネジャー、レックススタッドの鮫川純一場長、(株)レックスの石川宣寿種牡馬事業部統括部長、(有)飛野牧場の飛野正昭代表取締役、軽種馬睦会の小島謙治事務局長、(有)藤原牧場の藤原翔氏らが参列。静内神社の山田一孝宮司の神事に従い、功労馬を供養した。
畠山会長は「本日は、お忙しいなか、多くの来賓の方々にもご参列いただき、まことにありがとうございます。昨年に続き物価高騰・景気下落による生産地への影響を懸念しておりましたが、競馬につきましては中央・地方とも勝馬投票券販売の好調を持続、また北海道市場につきましても、セプテンバーセールまで終了し総額174億円を超す好成績となり安堵しております。これから行われるオータムセールも大いに期待するところであります。さて、さきほど、事務局からも説明がございましたが、昨年の慰霊祭終了後にイシノサンデー号の墓碑建立、ネームヴァリュー号の繫殖雌馬之碑の刻銘がございました。平成2年より開設されまして、現在は墓碑、集合体を併せ140頭の名馬の刻銘を行っており、今後もこの事業は継続して参ります。みなさま方にはご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。最後に、ここに眠る名馬のみならず、今日の競馬の隆盛を築いてこられた先人のみなさまやたくさんの馬たちに感謝の言葉を贈ります。ありがとうございました」とあいさつした。