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第3回ネクストスター門別が行われ、スペシャルチャンスが優勝

  • 2025年10月06日
  • デビュー5戦目で嬉しい重賞初勝利
    デビュー5戦目で嬉しい重賞初勝利
  • 落合玄太騎手は今シーズン重賞3勝目
    落合玄太騎手は今シーズン重賞3勝目
  • 短距離界の新星となった
    短距離界の新星となった
  • 2年ぶり3回のリーディングジョッキーの座を狙い、石川騎手を追いかける落合玄太騎手
    2年ぶり3回のリーディングジョッキーの座を狙い、石川騎手を追いかける落合玄太騎手
  • 右端が右端が田中淳司調教師
    右端が右端が田中淳司調教師

 11月3日に門別競馬場で行われる地方競馬全国交流競走「北海道2歳スプリント」、または園田競馬場1,400mを舞台とするダートグレード競走「兵庫ジュニアGP(Jpn2)」の前哨戦的位置づけにある「第3回ネクストスター門別(JBC協会協賛サンダースノー賞)」が2日に行われ、道中は2番手を進んだスウィングフィールド牧場(日高町)生産の2番人気スペシャルチャンス(牡2、北海道・田中淳司厩舎)が残り150m付近で抜け出し、1分13秒5(稍重)で優勝。通算成績を5戦3勝2着1回とした。管理した田中淳司調教師の重賞勝利は8月のブリーダーズゴールドジュニアC(優勝馬ベストグリーン)に続くもので今年5勝目、通算108勝目。落合玄太騎手にとっては9月のウポポイオータムスプリント(キャンディドライヴ)に続くもので今年3勝目、通算24勝目。1996年創業という生産者スウィングフィールド牧場にとっては、嬉しい重賞初勝利となった。

 フルゲートに満たない出走14頭とはいえ、単勝オッズ10倍未満の馬が6頭。キャリアの浅い馬同士の1戦で人気が割れた。その中でも人気の中心は栄冠賞2着のあとサッポロクラシックCに勝って重賞2連勝を狙うゴッドバロックで、差がなく4月のスーパーフレッシュChで世代の1番星に輝いたスペシャルチャンス。前走の函館2歳Sは芝適性を露呈してしまった格好になったが、「(放牧先から)体重を増やして帰ってきた」と落合玄太騎手。1週前追切では自己ベストを更新する35秒8をマークしながらも発表された馬体重はプラス4kg。休み明けでもしっかりと仕上げられてきた。そして、JRA札幌競馬場のすずらん賞で直線一気を決め、JRA勢から顔色を奪ったビッグカレンルーフがこれらに続いた。ゲートが開いて、最も早く飛び出したのは「スタートセンスとスピードが武器」と落合玄太騎手が絶賛するスペシャルチャンスだったが、内からワナハヴファンが強引にハナを奪いに行き、自然とペースが早くなった。2ハロンが23秒2で、前半3ハロンは34秒9。ハナを譲ったスペシャルチャンスは「少しハミを噛んでしまうところがあったので、なだめながら」2番手で、やや離された3番手には前走は1,500mのウイナーズチャレンジで2着と好走したバウヴォーグ。人気を集めていたゴッドバロックはこれら先行集団を見るように馬群の中団でレースを進め、直線勝負にかけるビッグカレンルーフは後方で脚を溜めるという展開。

 最初に動いたのは6~7頭で構成されていた4番手集団の外に着けていたサッポロクラシックC5着のファインキック。岩手の高松騎手が他馬の手応えを確認しながら、じわりと外から先行集団に食らいつく。

 4角をまわって最初にムチが入ったのは逃げたワナハヴファン。これを落合玄太騎手のスペシャルチャンスが〝持ったまま〟で交わしにかかるも、相手もしぶとく粘る。勝負が決まったのは、残り200m付近。「抜け出すと遊ぶところがある馬だが、落合玄太騎手が最後までしっかりと乗ってくれた」とレース後に田中淳司調教師が振り返ったように一気に後続を突き放す。力尽きたワナハヴファンを交わし、スペシャルチャンスに迫ったのは1番人気のゴッドバロック。粘り込みを図ろうというバウヴォーグにブルーメンガルテンが襲い掛ったところがゴールだった。

 田中淳司調教師は「根性のある馬」と愛馬を称え、落合玄太騎手は「強いスペシャルチャンスを見せることが出来た。この馬の武器であるスピードを活かして、大きなレースに勝ちたい」とインタビューに応えた。次走は「兵庫ジュニアGP(Jpn2)」と田中淳司調教師。今度は得意とするダートでホッカイドウの若武者が全国に挑む。