瑞穂賞はベルピットが7馬身差を付けて優勝
JBC協会からの支援によってホッカイドウ競馬が行っているカウントアップチャレンジ2025の「ミドル・マイル」第4戦は、道営記念へ向けての最終ステップ「JBC協会協賛第58回瑞穂賞(デクラレーションオブウォー賞)」が9月25日、門別競馬場で行われ、2番手を進んだ桑村真明騎手騎乗の1番人気ベルピット(牡5、北海道・角川秀樹厩舎)が、4角手前で先頭に立ち、2番手以下に7馬身差を付けて1分52秒7(不良)で優勝。通算成績を24戦18勝2着3回3着1回(重賞14勝)とした。角川秀樹調教師の重賞勝利は8月のサッポロクラシックに次ぐもので今年5勝目、通算143勝目。桑村真明騎手にとっては今年4勝目。通算70勝目の重賞勝利となった。
前日夜から降り始めた雨は夕方になって止んだものの、たっぷりと水分を含んだ白い砂は不良馬場。第3レースに組まれた2歳新馬戦では1,000m1分0秒4という高速馬場となっていたが、1980年代に活躍したシバフイルドーが持っていたホッカイドウ競馬の重賞最多勝記録に肩を並べようというベルピットにとってはまったく関係がなかったようだ。前走の旭岳賞から中6週のローテーションは昨年と同じ。直前の坂路調教でも単走、ほぼ馬なりで36秒台をマークして調子の良さをアピールしつつ馬体重はプラス6kg。暑かった夏もまたベルピットにとってはまさにどこ吹く風。角川秀樹調教師も「調子なら昨年以上」と胸を張ってのエントリーとなった。
先手を奪ったのは11歳馬ヒストリーメイカー。コスモバルク記念では逃げてベルピットの2着。前々走の旭岳賞では好位から脚を伸ばして同馬の2着。前走のグランシャリオドリームでは8歳年下の三冠馬ソルジャーフィルドに半馬身差まで迫った古豪だ。スタートからの2ハロンは24秒5。同距離のコスモバルク記念が24秒9で、内回りコースを使用する旭岳賞が24秒7だったから、馬場状態を考えればゆっくり目。ベルピットがやや力みながら並びかけようとするも、落合玄太騎手はコーナーワークを利して先手を譲らない。
やや離れた3番手に王冠賞勝馬のプラセボが続き、2番人気ニシケンボブと10歳馬ハセノパイロが中団をキープする。レースが動いたのは3角手前。「馬が自然にハミを取ってくれた」と桑村真明騎手。走り慣れた門別競馬場をベルピット自身が熟知しているかのように4角手前で先頭に立つと、あとはいつものように独走。最後は流しながら12秒6、12秒9でゴール板を駆け抜けて、単勝100円の人気に応えた。結果的に前後半の半マイルは49秒3、50秒9というスローペース。3番手を進んだプラセボがそのまま粘り込み、直線勝負にかけた最低人気のスコルピウスが2番人気ニシケンボブをゴール前で交わして、3連複、3連単馬券はいずれも万馬券。穴党ファンを喜ばせた。
「いつものベルピットをお見せすることが出来ました」と角川秀樹調教師。自身も騎乗経験があるというシバフイルドーの記録に並んだことについては「悪いけど、抜かせると思う」と茶目っ気たっぷりに答えた。次走は、連覇がかかる道営記念。2025年のホッカイドウ競馬も、いよいよラストスパートに入って来た。