ウポポイオータムスプリントでキャンディドライヴが優勝
24日、門別競馬場で道営スプリントに向けての重要なステップとして位置づけられているJBC協会協賛ファインニードル賞「第6回ウポポイオータムスプリント」が行われ、道中2番手を進んだ落合玄太騎手騎乗の1番人気キャンディドライヴが3角で先頭に立ち、そのまま1分12秒5(良)で後続の追撃を封じ込めて通算成績を21戦6勝2着3回3着3回(JRAで16戦2勝)とした。管理した小野望調教師にとっては23年フローラルC(優勝馬アメリアハート)以来の重賞勝利で通算10勝目。手綱を取った落合玄太騎手にとっては、今年のヒダカソウC(同ポルラノーチェ)に続く重賞勝利で通算23勝目の重賞勝利となった。
快足自慢が顔を揃えた1戦。いち早くゲートを飛び出したのは全16勝をこの距離コースで記録しているジャスパーメジャー、連覇を狙うストリーム、クラスターC(Jpn3)2着キャンディドライヴだったが、先手を取ったのは今シーズンはダートグレードの北海道スプリントC(Jpn3)含め1度もハナを譲ったことがないワンダーウーマン。押して、押してハナを奪うも、前半3ハロンは35秒6(12秒5、11秒2、11秒9)は、フルールCと、北海道スプリントC(Jpn3)の34秒7と比較しても速くない。こうしたペースに「逃げた馬を追いかけるつもりはなかったが、スピードがあるので自然と前に行ってしまった」と落合玄太騎手のキャンディドライヴが角手前から先頭に並びかける。この2頭を見るような位置にジャスパーメジャーが収まり、ストリームはやや離れた4番手で、その外に2番人気のデステージョという並び。「どんな競馬でもできる馬なので、自信をもって送り出した」という小野望調教師が見守る中で、勝負が決したのは直線入り口。絶妙なペース判断で馬を導き、12秒2、12秒0と加速しながら懸命に粘り込みを図るワンダーウーマンに〝もったまま〟で並びかけ、これを最後の直線で交わすと、もう追いかけてくる馬はいなかった。最後の100mは流しながら1ハロンは12秒7。2番人気デステージョと3番人気ストリームが馬体を併せての2着争いはアタマ差デステージョが先着して本命党は胸を撫でおろした。
勝ったキャンディドライヴは米国産馬。2021年米国のOBS社3月トレーニングセールの公開調教において最後の1ハロンを10秒で駆け抜け、長谷川祐司氏によって50万ドルで落札された馬だ。2歳秋に東京競馬場芝1,600m戦でデビューしたものの、わずか1戦でホッカイドウ競馬に移籍。その初戦で、同じ日に行われた3歳以上の準重賞よりも速いタイムで大差勝ちして能力を証明すると復帰条件を2戦でクリア。復帰したJRAで2勝を記録して、再び門別競馬場に戻ると、その初戦を楽勝し遠征したクラスターC(Jpn3)はクビ差2着。敗れはしたもののダートグレード競走初挑戦で中央勢の一角を崩して存在感をアピールした。
「自分は強いキャンディドライヴしかみていない」と小野望調教師。落合玄太騎手も「厩舎関係者の仕上げが素晴らしかった。自信をもって挑みましたので、勝てて良かった」と安堵の表情でレースを振り返った。次走はホッカイドウ競馬に所属する短距離馬にとっての総決算「道営スプリント」。その快足を再び見せてくれる日が楽しみだ。