馬産地ニュース

獣医学生バスツアーが行われる

  • 2025年09月04日
  • 社台ホースクリニックでの画像診断に関する説明に興味津々の参加者
    社台ホースクリニックでの画像診断に関する説明に興味津々の参加者
  • ノーザンホースパークで行われた胆振獣医師会との懇親会
    ノーザンホースパークで行われた胆振獣医師会との懇親会
  • 日高獣医師会との意見交換会
    日高獣医師会との意見交換会
  • 静内種馬場にある軽種馬生産技術総合研修センターを見学
    静内種馬場にある軽種馬生産技術総合研修センターを見学
  • JRAホームブレッドと対面
    JRAホームブレッドと対面

 8月25日から27日の3日間、公益社団法人日本軽種馬協会は、「馬産地で働く未来を描こう!獣医学生バスツアー 見て、聞いて、感じて、将来を考える3日間」を開催した。

 このバスツアーはNAR地方競馬全国協会の競走馬生産振興事業の一環。獣医学専攻の大学生(2・3年次)の対象にしたイベントで、軽種馬の生産地における獣医療現場を実際に見学し、現場で働く獣医師との交流を通じて、獣医学生たちに馬産地の魅力や獣医師としての将来像を描いてもらうことを目的としている。

 初めての試みとなったバスツアーには、北海道、青森県、岩手県、神奈川県、東京都、岐阜県、大阪府、鳥取県、山口県、宮崎県、鹿児島県にある16の大学から28人の獣医学生が参加。バスツアーには130人ほどの応募があったという。

 25日は開腹手術、内固定術、関節鏡手術といった二次診療施設として幅広い治療を行っている苫小牧市植苗にある社台コーポレーション社台ホースクリニックを見学。午後からは苫小牧市美沢にあるノーザンホースパークにおいて、胆振獣医師会所属の獣医師との意見交換会、夜には新ひだか町静内吉野町にある静内エクリプスホテルにおいて、日高獣医師会所属の獣医師との意見交換会が行われた。

 26日は早朝から新冠町万世にあるビッグレッドファームにおいて、調教施設や種牡馬施設、繁殖牝馬、当歳などを見学。午後からは新ひだか町静内田原にある公益社団法人日本軽種馬協会静内種馬場において、種牡馬施設、研修施設、診療施設を、新ひだか町三石東蓬莱にある北海道農業共済組合家畜高度医療センターにおいて、二次診療施設を見学。夜は様似町平宇にあるアポイ山荘において、日高獣医師会所属の獣医師との意見交換会が行われた。

 27日は浦河町西舎にある公益財団法人軽種馬育成調教センターにおいて、診療施設や調教施設を見学。浦河町西舎にあるJRA日高育成牧場においては、エコー検査やJRAホームブレッドを見学した。

 岩手県の大学からの参加者は「3年生になって進路を決めるきっかけになればとこのツアーに参加しました。馬の獣医師は病気の治療だけでなく、優秀な競走馬をつくるための交配やトレーニング方法、せりでの購買など幅広い職種であることにびっくりしました。ほかの大学の授業や実習についても知ることができたのでとても刺激になりました」。宮崎県の大学から参加した学生は「父が農業高校の教員をしてて、小さいときから牛やポニーとふれあううちに大動物が好きになり、ツアーの案内を見てせっかくだからと参加してみました。馬の調教や手術、種牡馬などを見学して貴重な経験になりました。1次診療に魅力を感じました。将来は動物とかかわりながら農家さんを助けられる獣医師になりたいです」と話した。

 獣医学生を引率した公益社団法人日本軽種馬協会業務部調査役の琴寄泰光獣医師は「参加者のほとんどがあまり馬に興味がない学生でしたが、この中から一人でも多く生産地で働く獣医師を志してくれたらうれしいです」とコメントした。