ブリーダーズゴールドジュニアCはベストグリーンが1馬身差をつけて優勝
10月1日のサンライズC、11月3日のJBC2歳優駿(Jpn3)へと続くホッカイドウ競馬の2歳中距離重賞JRA認定競走netkeiba杯「第19回 ブリーダーズゴールドジュニアC (ジャスタウェイ賞)」が8月21日、門別競馬場ダート1,700mで行われ、中団待機策から4角手前で楽な手応えで先頭に立った小野楓馬騎手騎乗の1番人気ベストグリーン(牡、田中淳司厩舎)が、2着マロンソレイユに1馬身差をつけて優勝した。勝ちタイムは1分50秒1(稍重)。管理した田中淳司調教師の重賞勝利栄冠賞(優勝馬ベストグリーン)に続く重賞勝利で通算107勝目。小野楓馬騎手にとっては前日のフルールC (同リュウノフライト)に続く重賞勝利で通算14勝目の重賞タイトルとなった。
単勝オッズ1.4倍のベストグリーンは今年行われた能力検定で唯一48秒台をマークしたスピード馬。それを3月13日にマークしていたのだから、驚きだ。500kgを超える大型馬で、デビュー戦は門別1,100mのレコードタイムを塗りかえる1分5秒6で大差勝ち。続く栄冠賞も1,200m1分13秒4の好タイムで、次走サッポロクラシックCを勝つゴッドバロック以下を完璧に封じ込めている。これに続いたのは1,700mの距離で2戦2勝を記録している角川厩舎の2騎。3.1倍の2番人気マロンソレイユは1,700mの距離でアタックチャレンジ競走、ウィナーズチャレンジ競走に勝ち、同じく5.5倍のバレンタインケーキはフレッシュチャレンジ競走、ターフチャレンジに勝利。豊富な距離経験を味方に逆転を狙い、4番人気馬は40倍を超えるオッズを示していた。
7頭立てながらも未来のホッカイドウ競馬を背負って立つ馬が顔を揃えた1戦。わずかにベストグリーンとバレンタインケーキがわずかに遅れたが、ほぼ横一線のスタート。その中から先手を主張したのは素質馬揃うスーパーフレッシュチャレンジ競走2番人気イイデスカイボスで、2番手はデビュー戦から1,700mのレースを使い付けているトレモロ。人気を背負ったベストグリーンは初めて経験するツーターンコースにやや戸惑うように、やや行きたがる素振りを見せて3番手に上がるも、デビュー戦から手綱を取り続けている小野楓馬騎手がなだめるように巧みに抑え込む。スタートからの3角手前までのレースラップは7秒1、11秒8、12秒7、12秒8、12秒8、12秒8。向正面にはいってもまったく緩まぬペースは2歳馬から体力と精神力を奪っていく。いつの間にか馬群は2つに分かれ、2~4番人気の馬たちは先行グループから5馬身ほど後方で脚を溜める。レースが動いたのは3角手前。石川倭騎手騎乗のトレモロが騎手が前を行くイイデスカイボスを交わしてインから先頭に立とうというところ〝持ったまま〟のベストグリーンか唸るような勢いでこれ交わすと、あとは完全な2着争い。結果的には後方で脚を溜めていた2番人気マロンソレイユが2着に追い込んだ。
小野楓馬騎手は「調教でも乗せてもらっていたので状態の良さは感じ取っていた。(コーナー4つは)初めての経験だったが無難にクリアしてくれたし、力の違いを感じさせる内容だった。(1分51秒1は)力がなければ出せないタイムだし、今日の経験が将来につながっていくと思う」と手応えを述べ、田中淳司調教師は「(先頭に立つのが)少し早いかなと思ったがジョッキーの判断。良い騎乗をしてくれたと思う。普段は大人しくてマイペースなところはハッピースプリントとよく似ている。今後、無事ならばJBC2歳優駿(Jpn3)一本。気を引き締めてJRA勢に挑戦していきたい」とかつての管理馬を例えに、決意を新たにした。