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フルールCはリュウノフライトが1番人気に応えて優勝

  • 2025年08月22日
  • 圧倒的なスピードで重賞2連勝
    圧倒的なスピードで重賞2連勝
  • 乗り替わり初戦で結果を残し、ほっとした表情で引き揚げてきた小野楓馬騎手
    乗り替わり初戦で結果を残し、ほっとした表情で引き揚げてきた小野楓馬騎手
  • 偉大なる半兄に一歩近づいたリュウノフライト
    偉大なる半兄に一歩近づいたリュウノフライト
  • 勝ちタイムの1分13秒1は昨年、一昨年のエーデルワイス賞(Jpn3)と同じ
    勝ちタイムの1分13秒1は昨年、一昨年のエーデルワイス賞(Jpn3)と同じ
  • 宮内勇樹騎手(左端)も口取りに駆けつけた
    宮内勇樹騎手(左端)も口取りに駆けつけた

 ホッカイドウ競馬の2歳牝馬限定重賞「第12回フルールC」(JBC協会協賛サトノクラウン賞)が8月20日、門別競馬場1,200m(重)で行われ、好位追走から早めに先頭に立った小野楓馬騎手騎乗の1番人気リュウノフライト(牝2、北海道・山口竜一厩舎)が1分13秒1(重)で優勝。7月のリリーCに続く重賞勝利でデビューからの連勝を「3」、総収得賞金を11,000,000円とした。山口竜一調教師の重賞勝利は前記リリーCに続くもので通算5勝目。小野楓馬騎手にとっては今年の王冠賞(優勝馬ソルジャーフィルド)に続くもので今年5勝目、通算13勝目となった。

 人気の中心は7月のリリーCを勝ったリュウノフライト。半兄リンノレジェンドは2019年のホッカイドウ競馬三冠競走こそ5着、2着、3着とあと一歩に泣いたが、同年のダービーGP、そして道営記念を制覇という活躍馬。その半妹という血統に加え、4月の能力検定で楽に49秒台をマークしたことで話題となり、5月のフレッシュCh 1,100mもスケールの大きな走りで快勝。7月のリリーCでは100mの距離短縮もまったく問題とせずに1番人気に応えている。今回は主戦の宮内勇樹騎手が落馬負傷のため、今年三冠ジョッキーとなった小野楓馬騎手が1週前の本馬場追切の時から手綱を取って感触を確かめた。結果的には1.4倍と言う圧倒的な人気馬を任される事となったが「後躯が力強く、走る馬という印象」という自信とともに挑むレースとなった。

 これに続いたのは7月のデビュー戦を8馬身差で逃げ切ったブレイズエッジ。全兄に重賞3勝シャルフジン、おじにJBCスプリント(Jpn1)優勝馬タイセイレジェンドがいる血統も評価されて4.3倍。そして、強烈な末脚を武器にリリーCでリュウノフライトに迫ったミスティライズが7.9倍。〝3強〟と呼ぶにはオッズに開きがあるもの単勝オッズ10倍台の馬がなく、4番人気馬のそれは20倍を超え、事実上は3頭の争いとみられていた。

 ほぼ横一線のスタートが切られ、激しい主導権争いが繰り広げられたが、その中から抜け出したのは兵庫県の吉村智洋騎手が手綱を取ったブルーコスモス。デビュー戦は好時計で逃げ切ったものの前走は控える競馬が裏目に出て持ち味を活かせなかっただけに、今回は何が何でも行こうという構え。これをめぐり前走のルビー特別を逃げ切っているリバーストリートと人気の一角ブレイズエッジが追いかけたために自然と高速ラップが刻まれる。脚抜きの良い馬場状態とはいえ今時期の2歳馬にとって最初の2ハロン12秒1、10秒9はかなり速い。しかし、こうした流れにも「ペースが速いというのはわかっていたが、うながすことなく楽に付いて行くことができた」と涼しい顔を見せたのがリュウノフライトだった。3角手前から小野楓馬騎手が〝持ったまま〟で先頭に並びかけ最後の直線は独走。最後の1ハロンは流すように13秒3。ゴールした時は2着ミスティライズに4馬身の差を付けて2つ目の重賞タイトルを手中にした。「馬のリズムを大切に、最後は気合を付けた程度。強いの一言に尽きる。距離が伸びても大丈夫だと思う」と小野楓馬騎手はパートナーを称えた。

 レースを終えて無事を確認した山口竜一調教師は「キャリアを積むことで落ち着きが出てきたが、レースでは折り合いに注意するようにジョッキーに伝えた」と、ほっとしたような顔でレースを振り返り「今回はスピードで押し切ったような結果になったが、まだまだ成長途上。折り合い次第で距離はこなしてくれるはず」と信頼を寄せているが「今後も無事であれば当面の目標は(今回と同距離の)エーデルワイス賞(Jpn3)に向かいたい」と意欲を見せた。