8月13日、札幌市にある「スタンピーズカフェ&ダイニングバー」で、「第68回オールスター競輪」の特別企画として、武豊騎手と元競輪選手の村上義弘さんのトークショー「LEGEND　NIGHT」が開催された。

 タイトルの「LEGEND」にもあるように、武豊騎手は8月9日に前人未到のJRA通算4600勝をあげた、競馬界のレジェンド。また村上義弘さんは2012年と2016年のKEIRINグランプリを制するなど、G1で6勝。2012年のKEIRINグランプリでは助骨を骨折しながら優勝するなど、「先行日本一」の名の通りの熱い走りもまた、競輪界のレジェンドとも言える。

 2人のトークショー開催が発表されると、「スタンピーズカフェ&ダイニングバー」の申し込みフォームには多くのメールが届き、本来は60名だった申込人数を、今回のイベントでは70名までその数を増やして対応した。

 司会を務めるフリーアナウンサーの国井美佐さんに招かれる形で、ステージに上がった武豊騎手と村上義弘さんは、2人の接点や普段の交流について話をしていった。

 JRA北海道シリーズにおける、函館競馬場での開催期間は、開催中の函館競輪場にも足繁く通うほどの競輪好きでもある武豊騎手は、以前から村上義弘さんのファンだった。また、村上義弘さんも競馬界のレジェンドである武豊騎手に憧れを持っており、20年ほど前に接点ができてからは、お互いの出走するレースは常に結果を確認し合うなど、競技は違えど切磋琢磨していった。

 今年の宝塚記念(G1)で武豊騎手がメイショウタバルに騎乗して優勝した後にも、村上義弘さんは祝勝会を執り行っている。武豊騎手を通して交流を深めた石橋守調教師も招いて、G1勝利を喜び合ったという。

 トークショーの中では、事前に参加者から募った武豊騎手に対しての質問も読み上げられ、その中ではディープインパクトやドウデュース、そしてオグリキャップといった騎乗馬の思い出についてだけでなく、

 「武豊騎手の次にトークの面白い騎手は?」との質問に際しては、会場内から「和田騎手」「丹内騎手」「戸崎騎手」といった名前があがると、「和田君は調教師試験を受けだしてから大人しくなりました。丹内騎手はいい奴ですが、そこまでのトーク力は無いですね。戸崎騎手はトークというよりもユーチューバーですね。数字(再生回数)を常に気にしていますよ」と話すと場内から笑いも起こっていた。

 その他にも個人競技である競輪と、オーナーや調教師、牧場や厩舎関係者など、チームでレースへと臨んでいく競馬についての話や、そこでかかるプレッシャーの違いなどについても、武豊騎手と村上義弘さんはそれぞれの視点で語っていた。

 このトークショーは、8月12日から函館競輪場で開催されている、G1「第68回オールスター競輪」のピーアールイベントでもあり、村上義弘さんは競輪の基礎知識や「ライン」といった予想に欠かせない情報についての説明を行った。

 また、この日の10レースと11レースに行われた「オリオン賞」では、武豊騎手が予想を披露。その予想については競輪専門のチャンネルである「SPEEDチャンネル」や、函館競輪のYouTube配信である「函館競輪チャンネル」でもリアルタイムで映像が流された。

 この2つのレースはトークショー参加者に景品が当たるクイズともなっていた。武豊騎手がオリオン賞の2レースでいくつ的中するのかを、事前に応募箱に回答を入れた参加者は、武豊騎手と村上義弘さんと共にレースを見守った。

 2つのレースともに、本命サイドに支持していた選手は1着にきたものの、10レースは車単で、11レースは3連単での予想が共にハズレ。それを受ける形で武豊騎手は、「改めて競馬で(賞金を)稼がないと駄目だと思いました。それだけに土曜日と日曜日のレースは力が入りそうです」と話すと、会場内からは笑いも起こっていた。

また、シュヴァリエローズに騎乗する札幌記念(G2)についての意気込みを聞かれると、「夏の一大イベントでもありますし、それほど人気にはならないかとは思いますが、一発を狙って騎乗したいと思います」と力強く話すと拍手が起こっていた。

 トークショーの後にはクイズに当たった方だけでなく、ステージ上で行われた抽選会に当選された方にも、競馬グッズと競輪グッズがプレゼントされた。またトークショーの後には、この日の参加者の全員に対して、「オールスター競輪」のグッズなどが贈呈されている。

 17日の午後にはJRA札幌競馬場で札幌記念(G2)が開催。その日の夜には函館競輪場でオールスター競輪の決勝が行われる。競技は違えど、同日に北海道で2つのビッグレースが行われるのはこの日だけであり、競馬ファン、競輪ファン共にどちらのレースにも注目してもらいたい。